「少しだけ、この季節が好きになれた」――BLVCKBERRYが”あなた”と咲かせた恵比寿の夜桜

[ 2025年4月8日 19:20 ]

【画像・1枚目】「少しだけ、この季節が好きになれた」――BLVCKBERRYが”あなた”と咲かせた恵比寿の夜桜
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 5人組メンズグループ「BLVCKBERRY」(ブラックベリー)が7日、東京・恵比寿のリキッドルームで春ツアーのファイナル公演を開催した。約2時間にわたる熱演。ソールドアウトとなった会場に、満開のパフォーマンスを咲かせた。(「推し面ず」取材班)

 本編ラストの「桜の調べ」。会場を包んだのは、胸を締めつけるような切なさだった。薄紅色の照明が静かに灯り、ステージはまるで月夜に舞う花びらのように、淡く、そして優しく染め上げられた。

 岸巧人が天井を貫くようなハイトーンで空気を震わせ、椿遥斗は髪をかきむしり、魂を削るようなラップで感情を吐き出す。篠崎優瑠は、長い手足をしならせて桜の花びらのように華麗に舞った。

♪あなたをあなただけを思い出すよ――

 サビで5人の声がひとつに重なり、桜が舞い散るように切なく、美しいハーモニーが広がる。新凛乃佑は絞り出すように歌い上げ、曲が終わると一礼しながら、あふれた涙をそっとぬぐった。

 その曲の前。庭瀬風葵は静かに客席の「あなた」へ語りかけた。「この中にもし、過去に辛いことがあって何かにとらわれて、その場から動けない人がいるんだとしたら、俺たちはその背中を押してあげたい。俺たちの音楽で一歩踏み出す勇気をあげたい」。その言葉は、会場全体に深く染み渡っていった。

 桜の季節になると、5人には苦い記憶が蘇る。結成1年目の2021年春の初ツアー。思うようなパフォーマンスができず、毎日のように怒られた。メンバーはもがき、空気は次第にピリついた。

 それでも、時間は彼らをひとつにした。ライブやレッスン以外にも、温泉旅行へ行ったり、家で遊んだり。撮りためた写真や動画は、今もメンバーのスマートフォンに大切に残されている。

 「桜の調べ」は、そんな彼らに「前を見ていれば、過去を振り返ってもいい」と教えてくれる楽曲だ。ステージ終盤、庭瀬は駆け抜けてきた3年半を振り返り、「俺はこの5人で過ごす時間が、すごく大切なんだと思った」と語った。そして、ゆっくりと言葉を重ねた。「今まで一緒に走ってきたメンバーとの大切な思い出がたくさんあるから、"あなた"とここまで来られたから、少しだけこの季節を好きになれました」

 3年半の軌跡を詰め込んだステージでは、念願のバンドセットを導入し、アンコールを含め19曲を披露。中盤のMCでは軽妙なトークに加え、ドラムを用いた即興パフォーマンスでファンを笑顔にさせた。

 会場後方までぎっしり詰めかけた観客。女性ファンの「こんなにお客さんが入ってるリキッドルームは初めて」という声が、その熱気を物語っていた。

 しっかりと足跡を刻み、春ツアーを締めくくった5人。終演後、庭瀬は自分に言い聞かせるように目指すステージを口にした。「武道館ですね。ずっと追ってるんで」。満開のパフォーマンスで魅了した恵比寿の夜。季節は移り変わってもBLVCKBERRYは一歩ずつ、美しい花を咲かせ続ける。

■2025年4月7日(日)18時開演
BLVCKBERRY SPRING ONEMAN TOUR 2025「シン・春ノ風」FINAL

1. NATURAL BORN ERRORS
2. SiX RAVENS
3. ジュブナイル
4. BANZAI !!
5. MASTERPIECE
6. 摩天楼
7. TOKYO DOPE
8. E - JUMP
9. TOXIC
10. D.O.V
11. SIDE by SIDE
12. Awake_ ?
13. レイメイ
14. ハレルヤ
15. 2035
16. 桜の調べ

EN1. Wake up CHARISMA !!
EN2. 僕らの未来図
EN3. Bon Voyage

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