政界のご意見番 江藤前農相の更迭渋った石破首相に疑問「農政改革という感覚が最初からあったのか」

[ 2025年6月4日 21:51 ]

フジテレビ社屋
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 自民党の伊吹文明元衆院議長が4日、BSフジ「BSフジLIVE プライムニュース」(月~金曜後8・00)に生出演し、農相人事を巡る石破茂首相の意思決定について見解を示した。

 財務相、党幹事長などを歴任し、21年に政界を引退した、“政界のご意見番”。番組では、コメ不足や価格高騰に関する議論を繰り広げた。

 江藤拓前農相が先月18日、佐賀市で行った講演で、「私は米を買ったことがない。支援者の方々がたくさん米を下さる」「売るほどあります、私の家の食品庫には。大変なんですよ、もらうというのも」などと発言。コメ不足に苦しむ国民の感情を逆なでする発言に、多くの批判が集まった。

 しかし、石破首相は19日、江藤氏を厳重注意しつつも、続投を決定。江藤氏も発言を修正、のちに全面撤回を表明するなど、猫の目対応を繰り返した。これで批判が収まることはなく、21日に辞任。事実上の更迭だった。後任の小泉進次郎氏は、江藤体制で行われていた備蓄米の競争入札を中止し、随意契約による安価での備蓄米放出に方針転換した。

 ここで問題になったのは、石破首相の意思決定の遅さ。伊吹氏は「石破さんの場合はやはり、自分だけの判断で党内を運営できる基盤ができていないんじゃないかな。彼のいろんな発言とか、各派との関係の中で出てくることなんだけど」と、首相就任前から指摘されている党内基盤の弱さを指摘した。

 「結果的に小泉さんが出てきて、火事場の緊急火消しはうまくやっているわけだけど、まず更迭のタイミングが遅れた」ことに加え、後任候補の人選にも言及。「実は小泉さんをストレートに農水大臣にという判断ではなかった。何人かの農水族の人たちを考えていたから」と舞台裏を明かした。

 小泉氏はコメの安定供給に向け、水田政策を27年度以降に転換するなど、基本方針の策定を表明。農政改革に本腰を入れる覚悟を示している。それだけに、伊吹氏は「受給バランス、農政改革という感覚が、最初から総理にあったのか」と、石破首相の微妙な意思決定の遅れを指摘していた。

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