滋賀短大付・竹本悠人 父との約束守りベンチ入り「夏に向けて守備もバッティングも磨いていきたい」

[ 2025年3月19日 12:42 ]

第97回選抜高校野球大会第2日 1回戦   敦賀気比(福井)15―0滋賀短大付(滋賀) ( 2025年3月19日    甲子園 )

<敦賀気比・滋賀短大付>シートノックで軽快な動きを見せる滋賀短大付・竹本(撮影・北條 貴史)
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 試合には出られなかった。でも、あこがれの甲子園のベンチで、最後まで声を出し続けた。滋賀短大付の背番号14を背負う竹本悠人(3年)は「点差は離れましたけど、声をしっかり出してやりました。甲子園はいつもの試合とは違う雰囲気でした」と振り返った。

 昨夏に腰を痛め、秋はプレーできなかった。そんなとき、父・圭吾さんはいつも励ましてくれた。「腐りそうになったとき、支えてくれた。お父さんには感謝しています」。冬場は守備練習や素振りを欠かさなかった。選抜ではベンチ入りをつかんだ。

 圭吾さんは高校時代は座間(神奈川)で遊撃手としてプレーしていた。大人になってからも草野球を楽しんでいたが、そんな父の姿を見て、小3のときに野球を始めた。圭吾さんはチームのコーチになり、熱心に指導してくれた。

 約束したことがあった。「“道具をちゃんと手入れしろ”と言われてきた。お父さんは草野球のとき、高校時代に使っていたグラブをまだ使っていた」と回想する。高校入学時に買ってもらったグラブを毎日、磨くことは日課だ。試合前のシートノックでは、二塁のポジションに就き、手入れの行き届いたグラブでゴロをさばいた。三塁側アルプス席で声援を送った父は「夢の舞台に連れて来てもらって感無量です」と感謝した。

 チームは大敗したが、すぐに視線は最後の夏に向けた。「敦賀気比さんは体格の差はもちろんあったんですけど、隙を突く走塁だったり、そういう意識の差を感じた。夏に向けて守備もバッティングも磨いていきたい」。道具も、技術も磨き続け、必ず甲子園に戻ってくる。(川島 毅洋)

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