「あんぱん」芸歴31年・竹野内豊　朝ドラ初出演の反響に驚き「想像以上」また当たり役“愛息2人”を自慢

「あんぱん」柳井寛役・竹野内豊インタビュー（4）

連続テレビ小説「あんぱん」で朝ドラ初出演を果たし、柳井寛役の好演が反響を呼んだ竹野内豊（C）NHK
Photo By 提供写真

　女優の今田美桜（28）がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」（月～土曜前8・00、土曜は1週間振り返り）は26日、第41回が放送され、朝ドラ初出演となった俳優の竹野内豊（54）が好演し、柳井嵩（北村匠海）を導いてきた伯父で医師の柳井寛が急逝した。“名言製造機”と話題を集めた、今作随一の人格者が“突然の退場”。涙の視聴者が相次ぎ、インターネット上には「寛先生ロス」が広がった。竹野内に撮影の舞台裏を聞いた。

　＜※以下、ネタバレ有＞

　「ドクターX～外科医・大門未知子～」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。

　竹野内は1994年に俳優デビュー。30年超のキャリアを誇るが、意外や今回が朝ドラ初出演となった。

　演じた寛は柳井医院の院長を務める町医者で、嵩や柳井千尋（中沢元紀）にとって育ての父。いかなる時も2人を励まし、生きる道しるべを示してきた。

　北村とは初共演。「胸の奥に光と影を秘めているような繊細さが、唯一無二の魅力につながっていると思います。嵩を演じる上で大切な要素ですよね」。中沢とも初共演で「あの年齢では珍しいくらい、昭和を生きる日本男児のような本当に澄んだ目をしていて、対話をする際、はね返ってくる視線がとてもストレートで、お芝居をしていて楽しかったです」と2人の“愛息”を自慢した。

　朝ドラについては「もちろんチャンスがあれば参加したいと思っていましたし、『どうして朝ドラには出ないの？』と言われることもありましたが、タイミングが合わなかったのか、そもそもオファーを頂いたことがなかったのか（笑）、あまり定かではないのですが。ただ正直なところ、撮影期間が長く、分量も多いので、心境的に現場はどうしても殺伐とした雰囲気になってしまうのではないか、と思う側面もありました」と率直に吐露。

　「ですが、実際は柳井家も朝田家も、キャストの皆さんが穏やかな雰囲気を持った方ばかりでしたので、毎回とても楽しく撮影に臨むことができました。企画自体も本当に素晴らしく、呼んでいただけて心から光栄に思います。行く先々で『見ています』と皆さんから温かいお言葉を掛けていただいて、毎朝これだけ多くの人を喜ばせているんだなと実感しました。反響は想像していた以上に大きかったです」

　土日が基本的に撮休の朝ドラということも「私にとっては、大きかったと思います。以前に比べると、無理の利かない体になってきましたから（笑）」と無事完走の要因。「昔の現場は本当に過酷でしたけど、当時のスタッフの方と十数年ぶりに再会しても『あの時は大変だったよね』と笑って振り返ることができるぐらいで、嫌な思い出は一つもありません。すべてが自分の経験、血肉になっていると思います」。またも自身の代表作、当たり役になりそうな今作。芸歴31年を積み重ねて出会った初の朝ドラが「あんぱん」というのも、芝居の神様の采配だったのかもしれない。

　＝インタビューおわり＝