サカナクション山口一郎「病気を患ったおかげで懐かしい自分に会えた」闘病しながら楽曲製作に励む

[ 2025年2月13日 22:56 ]

山口一郎(公式インスタグラム@ichiroyamaguchiから)

 うつ病を公表しているロックバンド「サカナクション」のボーカル、山口一郎(44)が13日、自身のインスタグラムを更新。現在の体調や、試行錯誤しながら音楽制作に取り組む様子を明かした。

 「去年のアリーナツアーを完走した事で、鬱病と共生しながらライブを行う事はできると証明できた。その自信もあって「作詞作曲」という行為も、新しい習慣を獲得し、比較的容易に波に乗り、海の干満のように押したり引いたりスムーズに取り組めると思っていた。でも、それは浅はかだった」と切り出した。

 「この病気は脳の病なのだと実感したのだ。まず本が読めない、集中力が続かない、客観視ができない、すぐ疲れ、無理をすると「揺り戻し」と戦う羽目になる」と現状を説明。そして、「これは明らかに加齢から来るものではなく、不自然な脳のバグだった。改めて元には戻れないのだと自覚しただけでなく、「新しくなる」という事も簡単ではないのだと絶句する日々だった」と壮絶な経験をつづった。

 これまでの制作活動について「僕は今までIllustratorで歌詞を書いてきた」「一曲に対して何パターンも歌詞を書き、それをカットアップすることで、自分の書いた言葉の意味を超えた時が完成と捉えていた。それが自分の作法だった」と説明。しかし、「この作法では、鬱病と共生しながら歌詞を書き上げる事ができないと今回の過程で明らかとなった」とも告白した。自問自答を経て「なので、目を閉じ、中学生の頃のように、メロディからただ滲み出てくる言葉を待つことにしたのだ。乾いた雑巾を絞り、手の汗が雑巾に染み込み、一滴一滴と垂れてくる感覚。その行為を改めて細かく自分で確認することにしたのだ。それは作業を飛躍的に好転させた」と現状の最適解にたどり着いたことを明かした。

 続けて「しかしこれは、、つまりは『当たり前の過程』だった。原点であり原液だ。病気の為に新しさを追い求め、辿り着いたのは怪獣のようにただ叫ぶだけだった思春期の手法を思い出すことだったのだ。何とも不思議で遠回りで、まるで馬鹿みたいな話だが、この病気を患ったおかげで懐かしい自分に会えたし、謎に今までの自分の作法の構造を理解できたのだ」とし、「ごちゃごちゃと長文駄文を書いたが、僕は多分、もう大丈夫です。あとは便秘が治れば完璧だ」と前向きにつづった。

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