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中谷潤人「西田選手やりましょう」統一戦呼びかけ 無敗挑戦者を衝撃3回KO「ビッグバン見られました?」

[ 2025年2月24日 21:04 ]

プロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチ   王者・中谷潤人(M.T)<12回戦>同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ) ( 2025年2月24日    東京・有明アリーナ )

<WBC世界バンタム級 中谷・クエジャル>リングで西田(左)と言葉をかわす中谷 (撮影・藤山 由理)
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 WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(27=M・T)が無敗挑戦者のダビド・クエジャル(23=メキシコ)を3回3分4秒、KOで破り、3度目の防衛に成功した。世界3階級制覇の中谷はデビューから30戦全勝。28戦全勝(18KO)だったクエジャルにプロ初黒星をつけた。中谷はバンタム級に上がってから4戦全てKO勝ちと圧倒的な強さをみせつけた。

 1回から左ストレートを当て、距離感をつかんだ中谷。クエジャルが距離を詰めてきたところに冷静にパンチを当てた。3回、残り30秒ではボディーから、右左を上下に打ち分け、最後は左ストレートでダウンを奪う。立ち上がったクエジェルに、一気に畳みかけ、試合を決めた。会場は静まり返った。

 「クレジェル選手がすごく背が高い選手なので、そこらへんで不安要素があったかなと思っていたんですけど、しっかり倒せて良かったです。(3回の2度のダウン奪取は)あんま覚えていないんですけど、みなさん、ビッグバンは見られましたか?」と笑った。IBFバンタム級王者の西田凌佑(28=六島)が、リングに上がると「西田選手、やりましょう」と声をかけた。西田は「自分はずっと中谷選手とやりたいと思ったので、ぜひお願いします」と応じ、2人はグータッチを交わした。統一戦の約束に、会場からもどよめきが起きた。

 1メートル74のクエジャルは中谷より1センチ長身。今月上旬まで行った恒例のロサンゼルス合宿では、長身対策として4階級上のライト級選手ともスパーリングを積んだ。筋肉量の増加に伴い、今回から減量も早めに開始。試合2日前にはリミットまで「数百グラム」と、調整面でも納得のいく仕上げで臨んでいた。

 新愛称“ビッグバン”の定着を目指す25年のテーマは「ワールドワイド」だ。ロス合宿中は初めて公開練習を行い、集まる現地メディアに世界的評価の高まりを実感した。また、数々のビッグマッチを実現させ、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)とも契約を結んだサウジアラビアの国営イベント、「リヤド・シーズン」を主導する同国総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官からも興味を示されている。海外にも伝わりやすい新愛称の初陣で、その評価にふさわしい勝利を挙げた。

 次戦以降に他団体王者との統一戦を見据え、2年ぶりとなる米国での試合プランも浮上している。さらに来年以降、井上尚弥との“モンスター対決”も待ち受ける。今や対戦候補として井上陣営から名指しされるほどで、中谷自身もクエジャル戦が決まるまでの期間は“対尚弥”をイメージしながら練習を行う日もあった。世界中が期待する“世紀の一戦”へ、そして目標とする「パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)1位」へ向け、日本人が世界王座を独占するバンタム級の先頭で走り続ける。

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