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比嘉大吾 王者堤聖也と死闘のダメージ大きく「覚えてない」 判定ドローでも後悔なし「やりきりました」

[ 2025年2月24日 20:16 ]

プロボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチ   王者・堤聖也(角海老宝石)<12回戦>同級4位・比嘉大吾(志成) ( 2025年2月24日    東京・有明アリーナ )

<WBA世界バンタム級 堤・比嘉>堤と引き分けリングを後にする比嘉 (撮影・藤山 由理)
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 元WBC世界フライ級王者の挑戦者・比嘉大吾(29=志成)はWBA世界バンタム級王者・堤聖也(29=角海老宝石)との死闘の末に判定引き分けで2階級制覇はならなかった。勝てば18年4月に体重超過でWBCフライ級王座から陥落して以来、国内最長記録となる6年10カ月のブランクを経ての戴冠だったが、元世界ミニマム級王者・高山勝成が持つ5年11か月の更新はならなかった。

 試合終えて「全く覚えてないのですいません。記憶が飛んでいた」とダメージの大きさを告白した。死闘の末のドロー決着には「やりきりました」と言い切った。

 「俺より野木さんが悔しいのでは。引退決めて、休んでまたこの2カ月練習をしてきて、少しきつかった。後から悔しくなってくるのか。顔が痛いのでやり切ってと思う。またやると“やめるやめる詐欺”になるし、頭を打たれたくない」と今後について言及した。

 勝っても負けても現役ラストマッチの覚悟で臨んだ世界戦は死闘になった。序盤からジャブ刺し合いの展開の中で、比嘉の得意な左フックが堤の顔面を捉える場面があった。4ラウンドに比嘉のバッティングで堤の右目尻が切れた。比嘉は「ごめん!」と大声で謝罪し、再開すると一気に両者アグレッシブの打ち合いとなった。中盤から終盤にかけて2人の距離はどんどん縮まって、接近戦の展開に。

 試合が動いたのは第9ラウンド。比嘉が左フックでダウンを奪った。しかし堤のカウンター右ストレートで倒れるダウンの応酬に会場は大熱狂となった。比嘉は「覚えていない。試合終わってどういう試合だったか、飛んでます」とダウンシーンを振り返った。

 第10ラウンド以降は、ダメージが残りながら堤の猛攻を耐え続けた。会場から大歓声が上がる中で、最終ラウンドは両者が全力を出し切って試合終了のゴングが鳴った。ゴング直後に2人は笑顔で抱擁してしばらく健闘を称えあった。判定は3者が114ー114の引き分けで王座奪取とはならなかった。

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