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辰吉寿以輝 再起戦はダウンを奪い判定勝ち 初黒星に続く左構えに「4回戦みたいなもの」

[ 2025年6月7日 22:11 ]

再起戦に勝利した辰吉寿以輝(右)と父・丈一郎
Photo By スポニチ

 プロボクシング元世界王者・辰吉丈一郎(55)の次男で日本スーパーバンタム級13位・辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)が7日、大阪市内で昨年12月に初黒星を喫して以来の再起戦に臨み、8回判定勝ちした。

 フィリピン同級12位アリエル・アンティマロ(23)とのノンタイトル戦。スピード抜群の相手左ストレートを初回からもらった。左右アッパーも想定外の角度から飛んできた。

 「2回にメチャクチャきいた。(自分が)打たれ強いと分かりました」

 試合直後の控室では「相手が3人おった」との冗談も漏れた。前回は東洋太平洋スーパーバンタム級王者・中嶋一輝(32=大橋)に挑戦も2回TKO負け。18戦目のタイトル初挑戦で初黒星を喫し、試合後は失神した。父譲りの“打たれ強さ”という自信は揺らいだものの、苦戦を経験したことが糧になった。

 5回から反撃開始した。地道にボディーを当て、スタミナを削った。「ボディーを当てていたので落ちてくるかなと思っていた」。右ガードを相手パンチを弾くパーリングで使わず、しっかり構えた。相手左をもらわないポジショニングを意識し、何よりリラックスを心掛けた。中嶋と同じサウスポー対策が、自らスロースターターと自覚する後半戦に結実した。

 そして8回、右でダウンを奪う。「フィリピンでやってたらダウンを取ってもらえたかどうか…」。バランスを崩してお尻から落ちるダメージの軽いものだったが、3点差2人と1点差1人の3―0判定に結びついた。「左とは4戦目でほぼ4回戦みたいなもの。これからです」。自らの伸びしろに手応えも感じていた。

 「サウスポーは苦手やな」。試合後、苦笑いで息子の控室を訪れた丈一郎は「(相手の)正面に立ってもらいすぎ。左対策ができてない」と手厳しかった。それでも左構えを志願しての勝利に「立派ちゃうか」と父の顔を見せた。

 「体調万全だと力が入りまくりよる。でも後半修正できた」。吉井寛会長は及第点を与え、次戦のメドを秋頃とした。

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