【王将戦】永瀬九段 絶対王者と対局重ね“生物的に強くなった” 手応え胸に連勝狙う

[ 2025年3月8日 05:00 ]

<ALSOK杯第74期王将戦第5局・前日>旧渋沢邸中の家前で埼玉ポーズを決める(右から)藤井王将、永瀬九段、小島進深谷市長ら(撮影・西尾 大助、会津 智海、大城 有生希、藤山 由理)
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 将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑むALSOK杯第74期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は7日、埼玉県深谷市の旧渋沢邸「中の家(なかんち)」で8日から指される第5局の対局場検分を行った。ここまでの対戦成績は藤井の3勝1敗。藤井は勝てば史上5人目の王将戦4連覇、永瀬は4月開幕の名人戦挑戦権を獲得した勢いで2勝目を目指す。

 2月の第4局で待望の1勝を挙げた永瀬は「ねじり合いの中で熱戦にできた。作戦としてもこちらの注文通りというか、やりたい形はできたという感じです」と前向きな感触を口にした。

 後手番ながら、あえて藤井の懐に飛び込む戦型を選び、その上で隠し持っていた新手を披露。絶対王者をあやしく惑わし、際どく逃げ切る展開は、まさに「注文通り」の進行だ。そんな背景もあって、名人戦初挑戦を決めた4日深夜には「藤井王将と対局するごとに強くなっている気がします」と述懐。この日も対局場検分を終えると「言葉が正しいかどうか分かりませんが、私の感覚的には“生物的に強くなった”という感じです」と、独特の表現で自身の棋力向上を説明した。

 厳しい環境下でたくましく生き続ける野生動物のイメージか。具体的には1月中旬の第1局から「レーティングで80くらい上がった感覚」とも明かす。レーティングとは棋士の優劣を表す指標で、計算方法により違いはあるものの、1位の藤井が2100前後。永瀬は2000弱で2位につけている。

 藤井と対戦する名人戦出場権を手にしたばかりでもあり「いい流れです」という挑戦者。第5局の先手番から狙うのは、もちろんシリーズ2勝目だ。(我満 晴朗)

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