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アマ世界王者・坪井智也がプロデビュー戦で圧巻2回TKO勝ち ヤジ飛んだ直後に2度倒す

[ 2025年3月13日 18:02 ]

プロボクシング 117ポンド(約53.07キロ)契約   坪井智也(帝拳)<8回戦>ブーンルエン・ファヨン(タイ) ( 2025年3月13日    東京・両国国技館 )

2回、ダウンを奪う坪井(奥)(撮影・島崎 忠彦)
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 2021年アマ世界選手権バンタム級金メダリストの坪井智也(28=帝拳)がプロデビュー戦を白星で飾った。初戦からA級の8回戦を戦い、WBOアジア・パシフィック・バンタム級2位ブーンルエン・ファヨン(26=タイ)に2回2分34秒TKO勝ちした。

 初回は様子見ながらスピード、ハンドスピードでタイ人選手を圧倒。2回に入ると場内から「つまらねえ」とヤジを飛ばすファンも現れたが、直後に連打からの左フックで最初のダウンを奪い、さらに強烈な左ボディー。効いた相手はしゃがみこみ、レフェリーが即座に試合を止めた。坪井はリング上で冷静な表情を崩さず、「パンチの勝負がしっかりできた」と話した。

 世界選手権で日本史上初の金メダルを獲得しながら、五輪は21年東京、24年パリと出場を逃した。一時は引退も考えたが、アマで同世代だった井上拓真(大橋)、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、岩田翔吉(帝拳)、堤聖也(角海老宝石)らの活躍などに刺激を受け、今年2月のプロテストをA級で受験して合格。世界戦の前座でデビューが決まり、「年齢は気にしていないが、最短で世界王者になれるように頑張っていきたい」と決意表明した。

 先輩後輩問わずプロボクサーに減量や調整方法を聞き、初体験の前日計量は余裕でクリア。「すこぶる調子はいい」と自信を示していた。アマの10オンスよりも軽く皮の薄い8オンスのグローブに「パンチをもらうと効いてしまう」と不安を示しながらも、「長いラウンドをやりたい。8ラウンドを通して自分は何ができるのか、確認しながらやっていきたい」と坪井らしく話していた。

 ◇坪井 智也(つぼい・ともや)1996年(平8)3月25日生まれ、静岡県浜松市出身の28歳。11歳でボクシングを始め、浜松工から日大へ進んで全日本選手権4連覇。18年に自衛隊体育学校入りし、21年世界選手権(セルビア)バンタム級で金メダルを獲得。23年同選手権(ウズベキスタン)はフライ級でベスト8入りした。パリ五輪は予選を兼ねた23年杭州アジア大会、24年五輪予選でともに敗れて出場を逃した。アマ戦績131戦106勝(10KO)25敗。1メートル60の右ボクサファイター。

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