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2階級での複数団体王座統一の寺地拳四朗「次はスーパーフライ級のバムとやりたい。絶対勝ってみせる」

[ 2025年3月13日 21:45 ]

プロボクシング WBC・WBA世界フライ級王座統一戦   WBC王者 寺地拳四朗(BMB)<12回戦>WBA王者 ユーリ阿久井政悟(倉敷守安) ( 2025年3月13日    東京・両国国技館 )

<WBC&WBA世界フライ級王座統一戦 寺地拳四朗・ユーリ阿久井政悟>12回、レフェリーが試合を止め寺地拳四朗(右)がTKO勝ちした(左はユーリ阿久井政悟)(撮影・島崎忠彦)
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 WBC世界フライ級王者・寺地拳四朗(33=BMB)がWBA同級王者ユーリ阿久井政悟(29=倉敷守安)を12回、1分31秒TKOで下して統一王者となり、ライトフライ級に続き2階級での複数団体王座統一を達成した。

 寺地の左のジャブに対し、ユーリが必殺の右で合わせるなど、主導権争いが続いた。中盤からはお互い距離を詰め、寺地は回転力を上げた。最終12回にはラッシュをかけユーリを追い詰め、最後はレフェリーが割って入った。ジャッジは11ラウンドまで105―104が2人でユーリ、106―103で寺地だった。最終ラウンドだなければどちらに転んでもおかしくない激闘だった。

 寺地は「いつもなんですけど、僕一人ではたぶん勝てなかった試合。本当にユーリ選手がメチャクチャ強くて、心も折れそうになったんですけど、チーム、そして応援してくれているみなさんがいてくれたおかげで、最後まで戦い抜けて勝つことができた」と喜びを語った。2つのベルトを肩にかけ「本当にメチャメチャ重みがあります。次はもっとより強い相手、スーパーフライ級のバム(WBC王者のジェシー・“バム”・ロドリゲス)とぜひやりたいと思っています。みなさん、ぜひ期待してください。絶対勝って見せるんで、応援をよろしくお願いします」と力を込めた。

 ユーリ阿久井について「ユーリ選手、やはり日本人は本当に気持ちが強くて、どんどん前に来て、本当にどっちが心が折れるかの勝負だった。チームのサポートがあって、僕の集中力が最大限発揮されて、本当にギリギリで勝てた試合。もっと強くなるように精進して練習していきます」と話した。

 日本人同士の団体王座統一戦は12年6月の井岡一翔―八重樫東戦、22年11月の寺地―京口絋人戦に次いで国内3例目。バンタム級、スーパーバンタム級で4団体統一を果たした井上尚弥(大橋)に次ぎ、寺地は国内2人目の複数階級統一王者となった。

 寺地はライトフライ級でWBC王座防衛8度、WBA王座との2団体統一など確固たる地位を築いた。4団体統一へ状況がなかなか整わないこともありフライ級へ進出。昨年10月に転級初戦でWBC王座決定戦に臨み、クリストファー・ロサレス(ニカラグア)を11回TKOで下し2階級制覇を達成した。新たなベルトを巻いた直後の今回、WBA王者ユーリ阿久井との2団体統一戦に臨んだ。

 今年1月に33歳となり「ケガとか治りにくくなっている」などと話すこともある。キャリア終盤が近づき、フライ級だけにこだわらずビッグマッチを求め、スーパーフライ級に進出して前WBA王者の井岡一翔(志成)やWBC王者ジェシー・“バム”・ロドリゲス(米国、帝拳)との対戦に向かう思いがリング上であふれた。統一王者の今後の進路に注目が集まる。

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