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36歳の井岡一翔「やり切った気持ちはある」も「引退という気持ちはない」「勝てないとは全く思わない」

[ 2025年5月11日 22:41 ]

プロボクシング WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ   王者 フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)<12回戦>同級6位 井岡一翔(志成) ( 2025年5月11日    東京・大田区総合体育館 )

<WBA世界Sフライ級TM井岡・マルティネス>試合を振り返る井岡(撮影・島崎忠彦)
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 前WBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(36=志成)が王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に0―3の判定負け。世界王座返り咲きを逃した。昨年7月の王座統一戦で0―3と判定負けした因縁の相手にダイレクトリマッチで2連敗。長谷川穂積の35歳9カ月を上回る日本人男子最年長36歳1カ月での世界王座奪取はならなかった。

 試合後、会見に臨んだ井岡は「展開が1ラウンドから激しい展開になって、1ラウンド1ラウンド、全身全霊で戦うような感じだったので。で、最後の最後にダウン取って、なんか負けているという感じも別になかったですけど、勝ってるかな?とかも、自分もかなり熱くなっていたんで。客観的に見れてないというか。あっという間の12ラウンドだったので。冷静に、俺勝ってたなという気持ちとか分からないですね。勝ってたらいいなという気持ちでしたね」と判定前の心境について明かした。

 結果については「結果が全てなので。負けたことは素直に悔しいですし、応援してくれた人たちの期待に答えられなかったのが悔しい」と無念さをにじませたが「こうすればよかったとか、ああすればよかったとか言ったら切りがないですけど、一瞬一瞬の自分の全力は出したと思うので。今日は自分の実力を出して負けたので、やり切った気持ちはあります」とすっきりした表情で語った。

 そのうえで「向き合った感覚でしかないんで分からないですけど、この相手に勝てないとは全く思わないし、勝てると思うし、今回も勝ったかどうなんやろ?という感じだったんで。でも判定は凄く開いているし、なんか不思議な感じですね」と強気の姿勢は変わらず。今後についても「結果として負けて、年齢も36になって、もう引退かなって…いうような気持ちは別にないですね。別に限界は感じてない」と笑った。

 そして3度目の対戦については「僕たちだけでは決められないので」とし、「引退しようという気持ちは全くないですけど、スーパーフライ級でやり続けるとかバンタム級に上げようとかも考えられない」と語った。

 終始前に出てくる王者の圧力に屈した。序盤から連打で押し込まれ防戦一方。カウンターを狙っていくが、6回にはロープ際でラッシュを食らいヒヤリとするシーンもあった。しかし8回、ついに王者の動きが止まると、9回はリング中央で激しい打ち合い。何度も被弾しながら“打ってこい”と挑発してみせると、会場の「井岡コール」を背に、左ボディを効かせた。10回にはついに左フックでダウンを奪い攻めに転じると、最後まで死力を尽くした打ち合いを見せたが、序盤の劣勢を逆転できなかった。

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