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吉良大弥 プロデビューから3連勝 初めてKO逃すも世界ランカーから2度ダウン奪う快勝

[ 2025年5月11日 18:46 ]

プロボクシング110ポンド(約49.89キロ)契約ノンタイトル戦   WBA世界ライトフライ級6位 吉良大弥(志成)<8回戦>WBA同級13位 ジャクソン・サパタ(ベネズエラ) ( 2025年5月11日    東京・大田区総合体育館 )

連続KOこそならなかったものの完勝した吉良(撮影・長久保 豊)
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 プロボクシングWBA世界ライトフライ級6位の吉良大弥(21=志成)がデビューから3連勝を飾った。ジムの先輩・井岡一翔(志成)がWBAスーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に挑戦する興行のアンダーカードで登場。WBA同級13位のジャクソン・サパタ(28=ベネズエラ)に3―0で判定勝ちした。

 一回り大きな体格のサパタが序盤から左右のフックを強振してきたが、吉良は強烈な右ストレートや左フック、ボディーで対抗。2回に左フックを浴びて腰を落としかけたが、逆にプレスを強めて攻め込んだ。3回には左右のフックが何度も顔面をとらえて会場を沸かせ、サパタがサウスポーにスイッチして左フックを振るうと、カウンターの右を合わせた。7回に左フックの連打とボディーでダウンを奪い、逃げ回るサパタがマウスピースを吐き出したほど。最終8回にはもたれかかったてきた相手を左ボディーで倒し、KO寸前まで追い詰めた。ジャッジの採点は79―71が2人、80―73のフルマークが1人だった。

 初めてKO勝ちをを逃した吉良はリングインタビューで「悔しいですけど一応ホッとしてます」と一言。「1ラウンドで倒すことを狙って、中盤抑えてしっかり判定で勝つという、思っていたことが悪い意味でかなってしまった」と説明しながらも、「8ラウンドをフルで経験したのはいい経験。遠い目標で見たら、どんな経験もいい経験になると思うので、こういう経験もしっかり次へつなげたい」と話した。

 前日計量ではサパタが予備計量の時点でリミットを300グラムオーバー。公式計量に姿を見せず、“1人計量”に臨んだ吉良はリミットちょうどでパスしていた。サパタは再計量をリミットでクリアしたものの、吉良は「オーバーの幅が大きくないので、明日の試合には影響ないと思っている」と意に介さず、先に引き上げていた。

 奈良・王寺工で高校2冠に輝き、世界選手権にも出場したが、24年パリ五輪出場を逃したため東農大を中退してプロ転向。24年6月のプロデビュー戦はスーパーフライ級、同年10月の2戦目はフライ級で戦い、早期の世界挑戦を見据えてこの試合はさらに1階級下げた。初の世界ランカー対決へ向け、先輩・井岡の胸も借りてスパーリングを重ねていた。

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