【畑野理之の談々畑】“日本ハム式”と“阪神式” 興味深い三塁ベースの回り方に意識の違い

[ 2025年6月5日 05:15 ]

交流戦   阪神4-5日本ハム ( 2025年6月4日    エスコンF )

<日・神(2)>三塁を回り、本塁に向かうヘルナンデス(撮影・椎名 航)
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 【畑野理之の談々畑】日本ハムの5回裏の攻撃。2死一、二塁から万波中正がゴロで中前打を放つと、二塁走者の郡司裕也が生還。三塁ベースをおよそ90度の角度で曲がって、そのまま白線に張り付くように本塁まで駆け抜けた。

 その少し前、阪神の4回表の攻撃では2死二塁で木浪聖也が左越えに大飛球。捕球されてチェンジとなったが、二塁走者のラモン・ヘルナンデスは三塁ベースを踏んだ後、コーチャーズボックス辺りで左に転回。田中秀太内野守備走塁コーチにぶつかりそうになっていた。

 ちょっとした“同窓会”だった。試合前の日本ハムの打撃練習中、阪神OBの亀山つとむ氏(本紙評論家)が一塁ベース付近で日本ハムの新庄剛志監督と旧交を温めていると、阪神がグラウンド入りするや田中コーチがすぐにあいさつにやってきて、加わった。

 そこでこんなやりとりがあったという。

 新庄監督「阪神は三塁ベースを回って本塁へ向かうとき膨らみすぎじゃない?」

 田中コーチ「(計測)タイムは膨らんだ時の方が速いんですよ」

 新庄監督「真っすぐ直線に走った方が守っている方は慌てるじゃん。ミスを誘いやすいじゃん。特にレフト前ヒットの時は阪神もやったらいいのに」

 亀山氏「阪神の野球をよく知ってるね」

 新庄監督「普段からよく見てますよ」

 新庄監督の言うようなベースランニングだと走行距離は最短に近い。もしかしたら、相手外野手や中継に入った内野手がプレッシャーを感じたり、送球しづらいのかもしれない。

 田中コーチ方式では大回りはするが、二塁から加速してきた勢いのまま走行スピードを落とさないで済むかもしれない。膨らみやすいように、二塁の第2リードの時から少し外野寄りに下がっている。どちらが先に本塁に到達できるかは諸説あり、どちらにも利点はあるが、両チームともに決め事として練習をしているのは興味深かった。

 試合は本塁打が計5発も飛び交う空中戦だったが、日本ハムが勝利して1勝1敗のタイに。5日の第3戦は本塁クロスプレーでの得点シーンにも注目したい。

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