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日本フライ級王者のユーリ阿久井政悟が大差判定でV3 「年内には世界挑戦したい」

[ 2022年2月27日 16:42 ]

大差判定で粉川拓也(左)を下し、3度目の防衛に成功した日本フライ級王者のユーリ阿久井政悟(右)
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 プロボクシング日本フライ級王者のユーリ阿久井政悟(26=倉敷守安)が27日、岡山県総社市のサントピア岡山総社で3度目の防衛戦に臨み、10回判定3―0(100―90×3)で同級1位の指名挑戦者・粉川拓也(36=角海老宝石)を下した。勝利後のリングで「ここまで来たら次は世界。年内には世界挑戦したい」と力強く宣言した。

 2度の世界挑戦経験を持ち、日本と東洋のベルトを巻いたベテランの粉川を一蹴した。初回から徹底的に接近戦を仕掛けてる相手に対し「自分の武器は右ストレートだけじゃない」と真っ向から受けて立つ。両者が前傾姿勢、頭を付け合うような形でパンチを交換。阿久井は左右のボディー、フックに右アッパーも織り交ぜて序盤からペースをつかんだ。距離を空けるためにバックステップを踏む作業なんて、やらない。「パンチで押し返して、間隔ができれば右ストレートを狙いました」。相手の上体が起きてスペースができれば、すかさず右を伸ばす。ボディーを効かせる場面がたびたびあったものの、結局、ダウンを奪えないまま試合終了。それでも採点通りの完勝だった。

 「相手はキャリアがある選手で、しぶとくて倒しそこねた。(接近戦は)こちらの良さをつぶしにくると思っていたので、落ち着いて対応できた。コンパクトに中、外と打ち分けられた。相手は大きいパンチばかりだったので見えていた」

 現王座の防衛戦は、10回KOだった前回を含め、全て10回まで戦いスタミナに問題がないことを証明。12回戦で争う世界戦への準備は着々と進んでいる。

 阿久井の世界ランクはWBOで5位、WBCで8位、IBFで14位につける。現在、WBO王座を保持する中谷潤人(24=M.T)が今春にも開催見通しのV2戦を突破すればスーパーフライ級へ進出する考えを示しており、好機到来となる可能性もある。

 「チャンスがあれば、もちろん世界へ行きたい。でも、こればっかりは運とタイミングなので。今回、勝ちきったのはデカいと思います」

 この勝利でWBAでもランクに入れば世界初挑戦へ選択肢が増える。

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