関西大学野球リーグ

【関西学生野球のキーマン】京大・中井壮樹 1年前の悔しさを晴らし今年こそ

[ 2025年4月1日 10:00 ]

京大・中井壮樹
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 京大は、昨春に19年秋に並ぶ歴代最高順位の4位に立った。その陰で不振に悩み、躍進を素直に喜べなかった強打者がいた。2年秋に外野部門のベストナインを受賞した中井壮樹(4年)だ。

 「僕が打っていれば4位ではなく、Aクラス入りや優勝も見えていたのかな…という後悔が大きかったです」

 23年秋リーグ戦で打率・341を残して名を上げた。その秋に放った14安打中、長打2本で0本塁打。さらなる進化を求め、長距離打者に多い「縦振り」と呼ばれる打撃フォームへの改造に着手した。この大胆な変更が繊細な感覚を狂わせた。

 昨春は30打席連続無安打を経験するなど、打率・061(33打数2安打)に終わったのだ。「バットが球の下に入ったり、差されたり…。間違った方向に進んでしまった」。秋も同・214と低調。春に同学年の山本陶二が首位打者を獲得するなど注目を集めた一方で、底から抜け出せないまま一年を終えた。それでも「結果が出ないときは苦しいですけど、野球が大好き」と顔を上げ続けてきた。

 高校卒業後に1年間の浪人生活を経て京大合格。浪人期間も週3日程度はジムに通い、京大野球部に所属するための準備を欠かさなかった。現在は1人暮らしの費用を工面するため5時半に起床し、カフェのアルバイトをこなしてから授業や練習に向かう。「チームとしての目標は優勝。個人としては、もう一度ベストナインを獲りたいです」。今年こそ中心選手の一人として、昨春に続く旋風を起こそうとしている。

 ◇中井 壮樹(なかい・そうき)2002年(平14)8月21日生まれ、兵庫県神戸市出身の22歳。小2から本三田中少年野球部で野球を始めて投手。本山中では軟式野球部に所属。長田(兵庫)では1年秋に背番号12でベンチ入りし、2年秋から背番号8。京大ではリーグ戦に1年春から出場。1メートル80、84キロ。右投げ左打ち。

 ▼京大・近田怜王監督 リーグ戦を経験した選手が多く、周囲からの期待を感じる中でも過信せずに戦いたい。野手では1番の細見を軸に、山本や中井がタイトルを獲れるような成績を残してくれることが大前提。先行逃げ切りで攻撃的な野球をしていきたい。

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