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口太メジナ42センチ ひしめく奇岩も小サバの猛襲もかわして 絶景の「柱状節理」望みながら熱いバトル

[ 2025年6月5日 04:30 ]

鈴木さんが釣り上げた42センチの口太メジナ
Photo By スポニチ

 【磯&堤防ガイド】奇岩ひしめく沖磯は、釣り人にとって攻めにくい場所である。静岡県南伊豆町の伊浜では、水温の上昇とともに小サバの大群が釣り場を完全包囲する悪条件にも見舞われた。そんな中、釣友が見事に良型メジナをゲット!負けじと筆者も奮闘したが“思わぬ敵”に苦しめられた。(スポニチAPC・恩田誠)

 伊浜港沖に点在する沖磯は景観の素晴らしさに圧倒される。デイサイト(火山岩の一種)の白みがかった山肌、安山岩や玄武岩が「柱状節理」と呼ばれる規則的な多角形の亀裂をなす景色を望みながら竿が出せるのは、沖磯ならではの特権である。

 とは言いながら、海には歓迎せざる大敵の小サバがコマセに群がり、朝方に上がったポイントでは全く釣りにならなかった。そこで9時に様子を見に来た船長に磯替えをお願いし、地磯に近い場所にある立島裏に移動することになった。

 かつては海底火山の根であった立島は強固な火山岩で形成された岩礁。その名の通り、岩場は高さこそあるものの、平たんな場所は少なく、3人で竿を出すのはやや厳しかった。

 おまけに足場は前下がりに褶曲(しゅうきょく)した柱状節理の上になり、スパイクの掛かりが悪い。油断していると海に滑り落ちてしまうという状態。

 それでも、3人とも磯釣りには手慣れているため、竿の出しやすい場所を確保してメジナ釣りに挑んだ。

 足場が悪いことから釣り人が竿を出す機会が少ないようで、コマセはほとんど入っていない。そのためか、小サバの気配は皆無。潮は左から差し込んでくるが動きは遅め。一方、やや波が高い状態なのでサラシは奇麗に沖に延びていた。

 ともあれ、コマセが沖まで運ばれてしまうと小サバに気づかれるので、足元狙いが勝負。根際、もしくはサラシの際を徹底して攻めることにした。

 筆者の右側で竿を出していた横浜市在住の鈴木靖明さん(65=会社員)の正面にサラシがよくできていた。彼はそのサラシの際で潜り込む潮に仕掛けを入れて、やや深めのタナを探った。

 何投目かの時、彼の竿が一気に絞り込まれた。足元近くでのやりとりのため、根ズレによるハリス切れが怖いが、さすがベテラン。難なくハエ根をかわして獲物を玉網に入れた。

 上がってきたのはよく太った42センチの口太メジナ。悪条件を克服して見事な結果を出してくれた。

 その後も彼は、40センチには届かないものの、30~35センチのメジナを5匹仕留めた。

 だが、次第に小サバが集まり始め、もはやどんなに工夫を凝らしても、メジナの口にまでエサが届く状態ではなくなった。

 筆者といえば、足元、そして眼前に広がる地形や地質に心を奪われてしまったことから釣りには集中できず、メジナとの出合いはかなわなかった。

 ◇交通 国道136号を松崎から妻良方向に進み、モンキーベイ入り口の先にある一町田交差点を右折して港へと下る。

 ▼釣況 南伊豆伊浜港・宝洋丸=(電)0558(67)0601。渡船料は6000円。渡船時間は季節によって違うため要確認。

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