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中谷潤人30連勝!強烈左攻撃でバンタム級V3 統一戦呼びかけ「西田選手やりましょう」

[ 2025年2月25日 04:30 ]

プロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチ   王者・中谷潤人(M.T)<12回戦>同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ) ( 2025年2月24日    東京・有明アリーナ )

<WBC世界バンタム級 中谷・クエジャル>3回、2回目のダウンを奪う中谷(撮影・藤山 由理)
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 3階級制覇のWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)が衝撃の4試合連続KOで3度目の防衛を飾った。無敗挑戦者のダビド・クエジャル(メキシコ)を2度倒して3回KO勝ち。プロデビューからの連勝を30に伸ばした。

 3回残り30秒から、残酷なまでのKO劇がスタートした。強烈な左ボディーに始まり、左ストレートまでの7発で最初のダウンを奪取。さらに3発で仕留め、無敗挑戦者を再び立たせることはなかった。セミファイナルまでの打撃戦に沸いていたアリーナはむしろ静まり返り、中谷は「皆さん、ビッグバンは見られましたか?」とニコリとした。

 身長、リーチで上回るのが当たり前だった中谷にとって、世界戦で初めて同じ体格の相手とのマッチアップ。1メートル74のクエジャル対策として、恒例のロサンゼルス合宿では4階級上のライト級選手らとスパーリングを積んだ。1日16ラウンドや10分×3ラウンドという過酷なメニューも消化し「メンタルが鍛えられたし、集中できたのもよかった」。巧みにパンチをかわしてくる相手に対し、インサイドからストレート系で攻めたのも、最初のダウンで見せたロープ際に追い込まれてからのボディーも、合宿で「意識して練習していた」もの。KOへのこだわりで圧倒的な実力差を見せつけた。

 試合後のリングにはIBF王者の西田凌佑(六島)が上がった。前戦のリングインタビューでは「WHO’s NEXT?(次の相手は誰?)」と挑戦者を募集していた中谷は「西田選手、やりましょう」と統一戦を呼びかけ、西田も「ずっと中谷選手とやりたいと思っていた。ぜひお願いします」と応じた。指名試合の関係で次戦での実現は不透明ながら、世界王者4人全員が日本人のバンタム級でトップに君臨する中谷にふさわしいのは統一戦しかない。

 スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)との“ビッグマッチ”も刻一刻と近づいている。「これからバンタム級で統一王者になって、また上の未来を見ていきたい。ビッグバン直前の“無の状態”をお楽しみください」。本当の爆発はまだ先、と言いたげだった。 

 ◇中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日生まれ、三重県東員町出身の27歳。小4から空手を始め、中1でボクシングに転向。U―15全国大会を2連覇した。17歳でプロデビュー。16年全日本フライ級新人王、19年日本王座を獲得。20年11月にWBO世界フライ級王座を獲得。23年5月にWBO世界スーパーフライ級王者となり2階級制覇。24年2月にWBC世界バンタム級王座を獲得し3階級制覇。身長1メートル73。左ボクサーファイター。

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