レジェンド王者の船木 「新崎選手の幻想にストロングスタイルで打ち勝つ」

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初代タイガーマスクが主宰する「ストロングスタイルプロレスVol.34 THE 20th ANNIVERSARY―“過激な仕掛人”新間寿追悼興行―」が6月12日、後楽園ホールで行われる。同大会でのレジェンド選手権で新崎人生(みちのくプロレス)と対戦する王者・船木誠勝(フリー)のインタビューが主催者から届いた。
――前回3月のストロングスタイルプロレスはちょうど56歳の誕生日にあたり、非常に巡り合わせを感じさせる戴冠となりました。
「スーパー・タイガーとは今まで3回シングルをやっていて、それこそ自分がフリーになったばかりの頃、タイトルマッチでやったのが初対決です。あれから10年で、プロレスの技も増えて今回が一番しっくりきたし、よりプロレスラーになっていて成長を感じました。年明け最初の試合でタイトルを獲れて、今年はデビュー40年でもあるので、頑張らなきゃなと思いました」
――試合前には「これが最後のタイトル挑戦」という言葉もありました。
「なんかそんな気もしましたし、いつまでもキャリアのある選手を前面に立たせておくのは若い人にとって、よくないと思うんです。だから、これからは本当に乗り越える感じで挑んできてほしいです。自分が壁になりますし、まだなれる体力があると思ってます。これが最後のベルトだと思って防衛していくつもりです」
――デビュー40周年を幸先よくスタートしていかがでしょうか。
「7年前にデビュー33周年記念大会があったんですけど、なんかその年に感覚が似ています。その前年は凄く試合が多かったんですけど、33周年の時は逆に試合数が少なくて。調べたら、33周年の2018年が11試合で、今年も今のところ予定が11試合で同じだったんです。だからポツンポツンとやっている感じなので、そのおかげというか、1試合1試合を丁寧にやってます。それでも1週間とか1カ月がアッという間に過ぎていく感じがするので、6月12日のタイトルマッチもアッという間に来ると思います。
――若い時と比べて、時間の経つ感覚が早いですか?
「早過ぎますね。早過ぎるので、それもあって1試合、1試合をちゃんとやらなきゃっていう気持ちです。フリーになって10年の間で、バーッと試合が増えた時期もあったんです。でも、試合数が増えれば増えるほど、ちょっと記憶に残らなくなってきて。武藤(敬司)さんと昔の話をすると「全然忘れた、覚えてねえよ」って言うんですけど(笑い)、武藤さんはやっぱり年100~200試合をずっとやり続けてきて、自分はそういうタイプではないし、試合数が少ない分、ちゃんと思い出せる、記憶に残る試合をしたいなと思ってます」
――そんな中で今回は新崎人生選手を迎えてのレジェンド王座防衛戦となりました。
「どんな試合になるか想像できないですけど、自分はルチャリブレとかはできないので、いつも通りの船木誠勝のストロングスタイルで応戦したいと思ってます」
――では、異なるスタイル同士のぶつかり合いと言いますか。
「はい。あとこれはコメントでも出したんですけど、新崎選手は自分よりちょっと年上なんですけど、全然肉体的に衰えてない。そこも凄いなと。肉体をちゃんと維持するための努力というのは自分が一番よく知っています。だから新崎選手も同じように努力してるんじゃないかなと思います。体は嘘をつけないので」
――実際にそうしている船木選手が言うと含蓄があります。
「自分の体と相談をしながら食事とトレーニングをやる。もう体のために1日の生活をしていないと体は維持できないです。だから若い時みたいに暴飲暴食っていうわけにはいかないし、年を取ってそういうことをやっていると、まず体が崩れてきます。なので犠牲というか、体のためにやらなくなったことはいっぱいあります。あとはやっぱり睡眠をちゃんと取るのが一番重要です」
――カール・ゴッチさんもコンディションの大切さを説かれていました。
「“コンディションが最大の武器だ”って言っていましたね。あと新崎選手はキャリアとしては自分より後のデビューになりますけど、リングに立っている姿を見るとベテランに見えて、そういう点も優れていると思います」
――そういった風格、ムードがあると言いますか。新崎選手とは23年6月の後楽園大会でタッグマッチでの対戦がありますが(船木のパートナー・間下隼人が新崎のパートナーKENSOをフォールし勝利)この時の印象はいかがですか?
「もともとバックボーンがアマチュアレスリングで特待選手になるぐらいの実力だったらしいので、レスリングがちゃんとできるなって感じました。だからWWFへ行って怪奇派になりましたけど本当は強いし、あの体なので力もありますよね」
――今回はどう出てくると予想しますか?
「そういった部分もおそらく使ってくるだろうし、あとは何て言うんですかね、普通のプロレスにはないマジック的な形を新崎選手は持ってるじゃないですか。そういう幻想的なことも織り交ぜながら仕掛けてくると思うので、その部分には惑わされないように戦いたいと思ってます」
――そういった幻想的というかマジック的な部分は要注意と。
「そのへんの引き出しは結構持ってると思います。今までやった選手だとTAJIRI選手とちょっと被る感じがします。TAJIRI選手も空手をやっていたから強いし、体もしっかりしていました。いいところまで攻めたのに途中でパッと展開を変えられちゃったり、そういう幻想的な部分を使う人だったので、凄くやりつらかったです。
――初防衛戦となることに関してはどうでしょう。
「40周年ということも含めて、できるだけ長く巻いていたいし、せっかくなので手放したくありません。今までこのベルトを獲ったあと、1回も防衛していないので、自分自身に対して挑戦です」
――今回は“過激な仕掛人”新間寿さんの追悼興行ともなります。
「自分はちょうど新間さんが出られた時に入門したので、新日本プロレスの時は知らなかったんです。だからストロングスタイルプロレスになってから新間さんと会うようになりました。だから思い出と言っても最近のものになってしまうんですけど、凄く厳しい人だなっていう印象です。自分が会ったのはもう70を過ぎてからだったと思うんですけど、それでもまだ厳しかったので、若い頃はもっと厳しかったんじゃないかなと思います。昔のレスラーって凄い人がいっぱいいますけど、それに勝るとも劣らない気迫というか。そういった昔のプロレスラーのような感じを受けました」
――たしかに昭和のイズムがあるというか、新間さん自身がプロレスラー的なところがありました。
「だからまだ藤波(辰爾)さん、藤原(喜明)さんはちゃんと現役でいますけど、本当に一人一人、昭和がどんどん消えていくなっていう感じです」
――昭和・新日本プロレスの流れを組む存在として、新間さんは船木さんにかける期待も大きかったと思います。
「自分は本当に昭和生まれで昭和にデビューしている人間なので、その中の一人として最後まで頑張っていきたいと思います。この世界で40年生きてきて、最後の化石みたいな気もしますけど(苦笑)、“まだ俺は生きてるぞ”っていう気持ちはあります」
――大会へ向けファンの方たちへメッセージをお願いします。
「自分はストロングスタイルプロレスの代表だと思ってますので、どれだけ新崎選手が幻想を出してきたとしても、ストロングスタイルでしっかりと迎え撃って、かつ勝ちたいと思います。幻想に打ち勝ちます」
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