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尚弥 4年ぶりのベガス戦へ“魅せるボクシングを”難敵カルデナスのジャブ警戒「ヒリつく試合になる」

[ 2025年4月5日 14:48 ]

会見に臨んだ井上尚(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ

 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋、29勝26KO)が5日、横浜市内のホテルで、5月4日(日本時間5日)に米ネバダ州ラスベガスでWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=米国、26勝14KO1敗)との防衛戦に向けた国内発表会見に臨んだ。収容人数2万人を誇るT―モバイル・アリーナが会場となり、日本人が試合をするのは初となる。

 4年ぶり3度目のラスベガスのリングに上がる井上は上下黒の服装で登壇し「4年ぶりとなるラスベガスでの試合に非常にワクワクしている。アメリカで試合をするのであればKOというのは少し考えていきたいが、KOでも判定でも魅せるボクシングをしていきたいなと」と真剣なまなざしで言葉を口にした。

 4団体王座4度目の防衛戦となり、勝てばスーパーミドル級3団体統一王者サウル・“カネロ”・アルバレス(34=メキシコ)が持つ世界最多記録に並ぶ。さらにKO防衛となればジョー・ルイスを抜いて歴代単独最多の23となるが「記録を狙って試合をするわけではない。自分のベストを尽くした結果、その記録を更新できればいいなという気持ち」と淡々。同日は毎年ビッグマッチが行われているメキシコの祝日「シンコ・デ・マヨ(5月5日)」の週末で21年6月以来の米再上陸となる井上が“大トリ”を飾る。「自分のボクシングをアメリカで見せるというところ。そこは特別意識はしていない」と平常心を強調した。

 26勝14KO1敗の右オーソドックススタイルのカルデナスについては「リードパンチが優れていてタフな印象」と語る。2月の前戦では過去に井上のスパーリングパートナーとして来日経験がある20戦全勝のブライアン・アコスタ(メキシコ)に10回判定勝ちしている難敵で「ダウンを奪われながらも判定で勝つというのは自力もあるし精神的にもタフ。気の抜けない戦いになる」と警戒心を強める。「せっかくアメリカでやるのだから、逃げ回れられたら面白い試合はできない」と打ち合いを歓迎し「向こうがそういう覚悟で来れば、すごいヒリつく試合になるし、面白い試合になる」と気を引き締めた。

 4年ぶりのベガス上陸。「ラスベガスで試合するには精神的にも強くしないと。精神的な部分も大事になってくる」とこれまでのフィジカルトレーニングの強度を高め自らを追い込んできた。10日に32歳の誕生日を迎えるが「バリバリやれている」と肉体的な衰えも否定。スパーリングは国内で打ち上げる予定で、渡米後は弟の拓真(29)やいとこの浩樹(32)らとのマスボクシングで調整を重ねるという。

 井上はカルデナス戦をクリアすれば9月には国内の新設アリーナでWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との団体内王座統一戦が予定されており、12月には1試合限定でフェザー級に転級し、WBA世界フェザー級王者ニック・ボール(28=英国)と対戦するプランが進められている。来春にはWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(27=M・T)との無敗対決も内定する中「負けたら終わり、その上でも気の抜けない戦いになる」と気を引き締める。「プレッシャーにもなるが、モチベーションにもなる。普通の選手はここまで決まらないし、自分はそこをプラスと捉えて考えている」と前向きに話し「いつも通りやれば大丈夫。不安はない」と連戦のダメージも一蹴した。

 興行は「Prime Video」で独占ライブ配信される。

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