服部道子氏 竹田、西郷、渋野の優勝争い 他の日本選手の刺激になる

[ 2025年6月2日 17:30 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子オープン最終日 ( 2025年6月1日    米ウィスコンシン州 エリンヒルズ=6829ヤード、パー72 )

18番でパットを沈めた竹田(AP)
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 【服部道子の目】日本の3選手は、最終日に自分の思うようなゴルフができず、悔しかったと思いますが、その中でこの位置で回れたのは大きな自信になったはずです。

 竹田選手も西郷選手も渋野選手も、世界最高峰の全米オープン優勝が、身近に感じられた1週間になったのではないでしょうか。

 前半の竹田選手はボールが左に飛んでいました。日本選手が上位にいたので、やはり勝ちたいという気持ちが力みにつながったようです。

 彼女はスイングの切り返しの間が、本当に素晴らしいのですが、そのテンポが速くなっていました。トップ・オブ・スイングで間があると、下半身と上半身に捻れの差ができて、その差が飛距離と方向性につながります。

 でも彼女の場合、テンポが速くなると左にボールが行くことが多くなります。それが前半の苦戦の原因だったと思われます。ただ、後半はそれを修正して竹田選手らしいゴルフを取り戻していました。

 彼女はスケールの大きいゴルフをします。飛距離が出て高いボールでピンポイントに打てる。米ツアー向きの選手。海外のメディアも、これから何度もメジャーで彼女の優勝争いを見ることになるだろうと評価していました。

 西郷選手は1Wからパターまで良い状態で初日を迎えられたと思います。ただ3日目の17、18番で完ぺきなショットを打ちながら、運にも恵まれずスコアを崩した。その嫌な流れが、最終日につながってしまった感じです。

 でも彼女は自分の足りないものを補って、計画的にゴルフを組み立てていけるクレバーさがあります。既にメジャーで1勝していますし、出球の高いフェードで距離感と方向性を合わせられる技術も持っています。そういう意味で、彼女もまた米ツアー向きの選手です。メジャーはまたすぐにやってきますので、チャンスはあります。

 渋野選手は、ショットに関しては復調の過程という段階です。まだ、良い時と悪い時のショットに差があります。ただ、彼女は気持ちにボールを乗せられるタイプ。難しいコンディションになればなるほど、集中力が凄くなるのも彼女の強みです。ショットの状態が良くなくても、アプローチやパットでしのいで、このスコアで回ることができたのは、本当に自信になったはずです。

 この3人の優勝争いは他の日本選手にとって、間違いなく刺激になったはずです。タイプの違うメジャー大会はまだ続きますから、しばらくは日本旋風が、吹くのではないでしょうか。(プロゴルファー)

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