【野村萬斎、熱弁(1)】羽生さんと夢コラボ「本当に、陰陽師好きなんだなと」「頼もしく成長」

[ 2025年3月8日 09:00 ]

<羽生結弦notte stellata2025>野村萬斎とボレロを舞う羽生結弦さん(撮影・長久保 豊)
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 フィギュアスケート男子の五輪連覇者でプロとして活動する羽生結弦さん(30)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata 2025」が7日、故郷の宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開幕した。スペシャルゲストの狂言師・野村萬斎(58)とコラボレーションが実現し、平昌五輪のフリー曲で伝説的プログラム「SEIMEI」で鎮魂の思いを込めた。以下は公演後の野村の一問一答。

 ――初のアイスショーに参加して。
 「やっぱりね、大きな会場で皆さんの熱気と活気が感じられましたね。もう本当に、生きている人間がこれだけ集まると、物凄くこう盛り上がるというね、うん、ここが(遺体)安置場であったっていうことと。でも、やっぱり我々はいろんなものを、一種の遺産というかね、いい意味でも悪い意味でもいろんなことあると思いますけど、そういう何かものを受け止めながら、自分たちの生きているっていうことを共有できたのは素晴らしい催しだなと思いました」

 ――「MANSAIボレロ」をこの場所で演じた。
 「そうですね、ちょっと感極まりそうになりましたね、最初ね。何か始まるときにね、ちょっと一瞬、霊感ではないですけれども、何かこう、ちょっと皆さんも何か魂を感じるというか、何かそういう思いが私に乗りかかかってくるというかね。そういうものを何となく背負うのも狂言に携わる者の使命のような気もして、改めてそういう場所と自分の使命みたいなものっていうのを再認識させていただきました」

 ――「SEIMEI」は2人にとって特別な演目。
 「そうですね。つくっていく段階で、本当に羽生さんが陰陽師を好きなんだなってね、思いましたね。ちょっとオタクなのかもしれないですけど、僕より詳しくて、僕が忘れていることもなんとなく覚えてらっしゃるぐらいに。逆にこうした方がもっと晴明らしい。もう僕は忘れているところも、ちゃんと覚えてらっしゃるようでしたけど。でも本当に冗談は置いといてね、彼のもう金字塔と言うべきね、ゴールドメダルを獲った曲ですから、私もそれに、その大切な曲にね、関わらせていただいたこと、大変光栄に思っております。そういう意味で、構成がね、どんなふうに皆さんに映ったかもちょっと興味がありますけれども。いろんな意味で、五芒星をスケートリンクに描くということも一つの、これも何かそこにあるものに対する思いになったと思いますし。そういう意味で3・11にね、つながる曲にもなったかなと。全体にね、プログラムがそういう風になっていたところで、私も2つの作品で関わらせていただいた。大変名誉であったなと思っております」

 ――フィギュアスケートとのコラボで面白い発見は。
 「それはね、構成をいろいろやってる段階で、僕と羽生さんと入れ違いに交互に演技をするときに、音の切れ目が、バシッとこっちはいきたいんだけど、やっぱりスケートってすぐ演技ではなくて、ちょっと初速をつけるためにも準備動作が必要なので。その分の間が必要だっていうことは、ちょっとなるほどと。普通にね、地上というかね、いるとスッと動けるのが、氷の上だともうひとかきしてからいくっていう、ちょっとタイムラグがあるのが新鮮でした」
 
 ――その辺りはどう埋めていったか。
 「スモーク出したりとか、こちらも去り際を少し派手にしたりということですけれども。でもね、本当に羽生結弦さんと今回仕事してね、前に対談させていただいた時に、今日『SEIMEI』で『天・地・人』という風に始めたのも、もう実際にはその時の対談の時に、僕が天と地と人を司るというか、空間と時間を操る、音楽をまとうなんて話をしたことをすごく僕も思い出しましたし。まさしくね、羽生さんがこうやってアイスショーをいろいろと今やプロデュース、演出もされていく中で、まさしく天、地、人を司っていらっしゃるなと、非常にそういう意味で頼もしく成長されている姿というのをね、頼もしく思いました」

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