佐久間朱莉「やっと勝てた」決死のショットや好パットでピンチをしのぎ悲願の初優勝

[ 2025年4月20日 16:45 ]

女子ゴルフツアー KKT杯バンテリン・レディース最終日 ( 2025年4月20日    熊本県 熊本空港CC=6565ヤード、パー72 )

<バンテリンレディスオープン最終日> プロ初勝利を飾った佐久間朱莉(撮影・成瀬 徹)   
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 1打差の2位から出た佐久間朱莉(22=大東建託)が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算11アンダーで逆転し、ツアー初優勝を飾った。

 短いウイニングパットを沈めた佐久間は両手を突き上げた。「やっと勝てた」。これまで2位が4回。一緒に悔しい思いを味わってきた後藤勝キャディーと抱き合うと涙が頬を伝った。

 前週の男子メジャー初戦マスターズで初優勝したロリー・マキロイ(英国)が口にした「夢は叶う」という言葉を胸に刻み、トレーナーに「自分を信じて戦ってきます」と宣言し、1番ティーイングエリアに向かった。

 2番で4メートルを沈めるなど前半で4バーディーを奪い、今大会の目標に定めていた2桁アンダーに到達し、単独首位で折り返した。しかし後半はピンチの連続だった。

 11番パー5ではティーショットがフェアウエーの中央にある木の真裏に止まる不運に見舞われた。クラブが木に当たるため「折れてもいい番手をキャディーさんと話し合い7番に決めた」。決死の覚悟で打ったショットでボギーを回避。幸いシャフトは折れずに済み、16番パー3ではその7Iでバーディーを奪った。

 13番、14番、17番ではグリーンを外し、5メートルのパーパットが残ったが「外しても死ぬわけじゃない」と腹を決めて強めのタッチでねじ込んだ。

 今年からパットの練習量を増やし、一定のリズムでストロークすることを重視している。その結果タッチが合い、ショート気味だったものがカップに届くようになった。正念場で成果が表れ「パーパットを決め切ることができたので、いい流れを切らさずプレーできた」と胸を張った。最終日は全選手最少の24パットを記録した。

 中学3年で男子ツアー94勝の尾崎将司の門下生になり、女子では原英莉花に次ぐ2番弟子として指導を受けてきた。「俺は最初と最後の3ホールを大事にしている」という師匠の言葉を大事にしている。「今日も出だしと終わりは特に気を引き締めて戦った」と教えを守り抜いた。佐久間は「明日(尾崎に)優勝報告に行くので何て言われるか楽しみです」と声を弾ませた。

 岩井姉妹や桑木らと同じ2002年度生まれ。21年6月のプロテストにトップ合格し、同年11月には下部ツアーで初優勝。しかしツアーでの勝利は同世代の盟友たちに先を越された。「自分が置いて行かれている気持ちになった」。家族が心配するほど落ち込んだ時期もあった。それでも「自分には練習しかない」と努力を怠らなかった。

 この大会でツアー初勝利を挙げた山下美夢有、岩井明愛、竹田麗央は米ツアーへ羽ばたいたが、佐久間は足下を見つめている。「もう少し日本で頑張ってから行きたい。特にメジャーに勝ちたい思いは強い」と次なる目標を口にした。

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