斎藤八段 王将4期の久保九段に勝利 先勝した叡王戦5番勝負に続き、王将戦も1次予選準決勝進出

[ 2025年4月11日 20:07 ]

王将戦1次予選で久保利明九段(左)に勝利した斎藤慎太郎八段
Photo By スポニチ

 将棋のALSOK杯第75期王将戦(スポニチ特別協力)の1次予選が11日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指され、斎藤慎太郎八段(31)が王将4期の久保利明九段(49)に167手で勝利した。1次予選準決勝・大橋貴洸七段戦へ駒を進めた。斎藤は伊藤匠叡王(22)に挑む第10期叡王戦5番勝負第1局を3日に終え、先勝。19日に石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」である第2局へも弾みをつけた。

 振り駒の結果、斎藤が先手になり、戦型は振り飛車党・久保の三間飛車へ進んだ。3筋から2筋、6筋、2筋と機敏に立ち回る久保飛車。斎藤は69手目▲6一角と、久保王を守護する銀冠の背後へ4三金を狙って打ち込んだ。△2三飛と浮いて4三金を守った瞬間を捉え、久保飛車の前へ▲2五歩と歩を合わせて攻勢を強めた。

 「相手の飛車の前への継ぎ歩はあまり見ない。やりたかった手で、確実な手の方がいいケースかなと思った」。斎藤はこの辺りから形勢の好転を自覚したそうだ。

 4月は例年、棋士にとって対局数の減る時期と言える。年度を通じて指す順位戦はまだ開幕前。王将戦も、2次予選からの出場だと7月スタートだが、第70期以来5期ぶりに1次予選からの出場となった副産物で「対局感覚を維持できているかなと思う」と効果を実感する。

 加えてこの日の久保のように1次予選とは思えない好カードも実現。「強豪ぞろいの中、1次予選を突破するのも価値がある。一つずつ積み重ねていこうという気持ちです」。次戦の大橋とは「鬼のすみか」の異名もある順位戦のB級1組に共に所属。第67期に挑戦者決定リーグ入りした実績もあるが、先を見ずに眼前の将棋に集中していくつもりだ。

続きを表示

「美脚」特集記事

「中居正広」特集記事

2025年4月11日のニュース