【王将戦】藤井聡太王将 “奇襲”成功も「3四歩と突くことで直ちに意表を突けるということではない」

[ 2025年3月9日 20:54 ]

<王将戦第5局2日目>王将戦4連覇を果たし、笑顔の藤井王将(撮影・吉田 剛)
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 将棋のALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第5局が8、9日の両日、埼玉県深谷市の「旧渋沢邸『中の家(なかんち)』」で指され、藤井聡太王将(22)=7冠=が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に勝利した。

 これで藤井は通算成績4勝1敗で、史上5人目の王将戦4連覇を達成。タイトル保持の通算期数を28に伸ばし、27期の谷川浩司十七世名人(62)を超えて単独5位に浮上。2日制のタイトル戦は負けなしの15連勝とした。

 対局後に永瀬が「意識が抜けてしまっていたので準備不足だったかなと思います」と語った2手目の△3四歩について、記者会見に臨んだ藤井は「シリーズが始まったときから、後手のときは考えてみようかなと思っていて、本局で試してみた。初めて指したので分からないことも多かったが、結果としてそれほど悪くならずにできた」と“奇襲”を振り返った。

 この一手で新たな一歩を踏み出した感覚があるか問われると「一局指してみて手応えもあったと感じている。今後にも生きるものだったと感じている」と自ら評した。

 そのうえで永瀬とは「練習対局では何回か指したことはあったので、3四歩と突くことで直ちに意表を突けるということではないと考えていて、そのあとにうまくバランスを取るのが大事だなと思っていた」と語った。

 先手永瀬、後手藤井王将で始まった第5局。藤井王将が2手目に指した△3四歩は、プロ入り以来後手番になった公式戦258局目に初めて指した一手。戦い方の多彩さが魅力の雁木に組み、王は5二で安定。さらに地下鉄飛車を軸に角、銀、桂、歩で永瀬陣の右辺を突破する。永瀬も藤井陣の1、2筋に食らいついたものの、藤井の攻撃の手が止まらない。最後は永瀬陣を制圧し、藤井が王将防衛を果たした。

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