【王将戦】後手にとって3筋は「傷」か「厚み」か

[ 2025年3月9日 05:00 ]

ALSOK杯第74期王将戦7番勝負第5局1日目 ( 2025年3月8日    埼玉県深谷市・旧渋沢邸「中の家」 )

A図
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 【関口武史 第1日のポイント】永瀬がカド番をしのぎ迎えた第5局。これまで先手の作戦を全て受け止めていた藤井だったが、本局は2手目に△3四歩と突き戦型選択を自ら行う方針を打ち出した。選んだ作戦は、戦い方の多彩さで近年見直されてきた雁木囲いだ。

 対して永瀬は早々に▲3六歩と突き▲3七銀~▲4六銀と急戦の構えを見せ、▲3五歩と開戦。素直に△同歩は▲同銀で棒銀が成功するので藤井は△4五歩と反発。以下▲同銀△3五歩と突き違いの手筋で応戦する。いったん攻め足が止まった局面で永瀬の3手一組が面白かった。▲3三角成(A図)と角を交換し△同桂に▲5六銀と引き上げる。通常は後手を引くので指しにくいが、桂馬を跳ねさせて3四の地点に空間をつくったのが主眼の構想。

 将来「▲3四歩」と桂馬の頭に歩を打つことができれば有利な展開となる。対して後手は逆に「3五歩」を位として確保できれば、厚い陣形となり永瀬の動きを逆用できる。

 午後は互いに△6四角▲4六角と自陣に角を打ち合い均衡を保ちながら駒組みが進んだ。焦点は3筋の評価で後手にとって「傷」となるか「厚み」となるかが2日目の見どころだ。(スポニチ本紙観戦記者)

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