NHK会長 放送センター内トイレでの性被害問題に「看過できない」 「ザ少年倶楽部」収録中止

[ 2023年10月18日 14:10 ]

東京・渋谷のNHK社屋
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 NHKの稲葉延雄会長が18日、東京・渋谷の同局で定例記者会見を行い、旧ジャニーズJr.など多くの旧ジャニーズ事務所所属のタレントが多く出演し、16日の公開収録が中止となった同局の音楽番組「ザ少年倶楽部」の収録での同局内での性加害報道について言及した。

 今回の報道については「放送センター内で深刻な性被害を受けたということという証言があったということは大変重く受け止めております。番組制作責任者として看過できない」とコメント。「今後、出演者の安全、人権を守ることを進めていかないとならない」と見解を示した。

 局内での性加害報道に際し、旧ジャニーズ事務所は「性加害に関する事実認定は、独立した第三者である再発防止特別チームおよび被害者救済委員会に委ねることとしており、弊社が認識している限り、そうした事実はございません」としている。この件について担当者は「このニュースについては取材に基づいて報道しております」とコメント。旧ジャニーズ事務所側の“否定”については「事実かどうか、確認できていないという趣旨だと回答を得ている」と説明した。

 今後の検証作業については、稲葉会長は「検証については今後こういった事案がでてくるかどうか、その辺も含めてニュースなどで報じる。いろいろな検証作業の中で新しいことがでてきたら、新しい番組の中で皆様にお伝えする」とコメント。担当者はこれまでの同番組の歴代担当者へのヒアリングを行ったとし、「性被害を知っているという人間はおりませんでした」との検証結果も明らかにした。

 番組を巡っては、今月9日にはNHKが「ニュース7」で同局内で、2002年秋ごろに番組の出演希望者がジャニー氏からNHK放送センター内の男性用トイレで複数回にわたり性被害に遭ったとする30代男性の証言を報道。同局は「証言を重く受け止めている。看過できない問題」とし、「番組の内容やタイトルの変更を含めて抜本的な見直しを検討している」とコメント。この日、「10月16日までに十分な見直しに至らないと判断したため」と中止を決定した。

 関係者は10月分はデビュー組が出演する「ザ少年倶楽部プレミアム」を含め予定通り放送。11月放送分については「何も決まっていない」とし、放送終了についても「何も言えることがありません」と語るにとどめていた。

 同番組は2000年4月にスタートし、Jr.の登竜門的存在となっていた。現在はBSプレミアム、BS4Kで金曜午後6時から放送し、日曜夜などに再放送もされている。公開収録は16日、東京・渋谷のNHKホールで開催予定だった。同局やファンクラブによる公募により集まった2600人が観覧し、11月10日と17日放送分を収録予定だった。振り替え実施はない。

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