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矢吹正道が日本初・世界2階級同時制覇 血染めの12回TKO勝ち 弟の力石と「兄弟同時」へ第一関門突破

[ 2025年3月29日 20:37 ]

プロボクシング IBF世界フライ級タイトルマッチ   IBF世界ライトフライ級王者 矢吹正道(LUSH緑)<12回戦>IBF世界フライ級王者 アンヘル・アヤラ(メキシコ) ( 2025年3月29日    愛知県国際展示場 )

<IBF世界フライ級タイトルマッチ 矢吹正道×アンヘル・アヤラ>1R、ダウンを奪い右手を掲げる矢吹正道(撮影・椎名 航)
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 ボクシングイベント「3150×LUSHBOMU vol.4」が29日、愛知県国際展示場で開催され、IBF世界フライ級タイトルマッチは挑戦者の矢吹正道(32=LUSH緑)が王者アンヘル・アヤラ(24=メキシコ)を12回1分54秒TKOで破り、保持するIBF世界ライトフライ級王座との2階級同時制覇を日本人で初めて達成した。なお、今後はフライ級で活動するため、ライトフライ級王座を返上する方針だ。戦績は矢吹が22戦18勝(17KO)4敗、プロ初黒星のアヤラが19戦18勝(8KO)1敗。

 矢吹は初回、相打ちの左フックを当ててダウンを奪取。2回にもカウンターの右ストレートでダウンを奪った。3回、偶然のバッティングで矢吹は右目下を大きくカットして流血し、アヤラも右まゆ付近から出血。4回未満で続行不可能となれば負傷引き分けとなるところ、両陣営の治療により試合は続けられた。両者が顔面とトランクスを鮮血で染める激闘となったが、矢吹が12回にも右でダウンを奪い、レフェリーストップを呼び込んだ。

 昨年10月に当時のIBF世界ライトフライ級王者シベナティ・ノンシンガ(南アフリカ)を9回TKOで破り世界王座へ返り咲き。ベルトを巻いた試合直後からフライ級へ進出すると語った。主な理由は減量苦だ。20年7月に日本ライトフライ級王座を獲得する過程で活動の場を移したものの、キャリア序盤はフライ級だった。年齢を重ねて減量は次第に厳しさを増す。ノンシンガ戦も減量終盤に、汗を出すために入っていた浴槽から立ち上がれなかったという。「水圧で立てなくて。お湯を抜いて湯船から転がるように出た」と振り返る。今回は自身が望んだ階級で本来のパフォーマンスを発揮した。

 弟でIBF世界スーパーフェザー級3位の力石政法(30=大橋)が5月に世界初挑戦する。「兄弟同時世界王者」は2人で掲げた夢だった。矢吹は勝敗にかかわらずライトフライ級王座を返上する方針を示した上で、この試合に臨んだ。まず第一関門を突破し、バトンを弟へ渡した。

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