管理栄養士に聞いた「老ける食べ物」とは。残念ながら、みんな大好きな“アレ”は危険…

[ 2025年4月17日 09:00 ]

老いを受け入れることは大切ですが、なるべくなら老いたくないのがホンネ。そしてできるなら若返りたい。日常生活で老いを進ませない、若返るためにできることはあるのか? 株式会社Luceの管理栄養士・望月 理恵子先生に聞きました。

老いを抑える2キーワード「糖化」と「酸化」

望月先生:老化は、体が糖化・酸化することによって進んでいきます。

糖化とは

必要以上に摂りすぎてしまった糖が体にあるタンパク質と結びつき、血管や細胞、皮膚を劣化させる反応のことを「糖化」と言います。

糖化によって体の中に生まれるAGEs(糖化最終生成物)は、老化だけでなく動脈硬化を進め、糖尿病、高血圧症、脳梗塞、冠動脈、心筋梗塞、がん、骨粗しょう症、アルツハイマーなどの病気の原因もなります。

酸化とは

体内に取り込まれた酸素により活性酸素が発生して、自らの細胞を傷つけ老化(酸化)させる状態のことを「酸化」と言います。

これは控えめに! 糖化・酸化が進んでしまう食べ物

望月先生:次のような食品を食べ過ぎると、老化を早める原因になります。

・揚げ物や高温調理した料理(ステーキ、フランクフルトやベーコンなど)
・ファストフード
・スナック菓子
・砂糖や果糖
・人工甘味料入りの飲料
・甘いお菓子

とくに糖類の取りすぎは、体を糖化させます。甘いジュース、パン、ご飯、パスタなどは食べ過ぎない、飲みすぎないことが大切です。

どうしても食べたい場合は、AGEsを減らせるよう、お酢やレモン汁をかけて食べましょう。また、揚げ物は可能な限り新しい油を使ったもの食べるようにしましょう。

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老化を止めたい人におすすめの食べ物は?

望月先生:次の食べ物には体の糖化・酸化を防ぐ作用があります。

・酢、レモン
・緑黄色野菜、果物
・オリーブオイル
・イワシ、さば、牛肉、豚肉
・ナッツ類

若返りたい人には、これらの食べ物をおすすめします。

おすすめの食べ物1 酢、レモン

酢、レモンなどに含まれるクエン酸には、食品に含まれるAGEs(老化物質)を減らす働きがあります。

酢やレモンを揚げ物や焼いてある肉、ソーセージなどの加工品と一緒に食べると、それらのAGEsを減らし、糖化を防いでくれます。

また、糖代謝をスムーズする働きが期待できるので、体にAGEsを溜めにくくするのにもおすすめです。

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おすすめの食べ物2 緑黄色野菜、果物

抗酸化成分のビタミンCを含み、体の酸化や細胞の老化を防ぎます。

◆おすすめの緑黄色野菜
ピーマン、菜の花、ブロッコリーなど

◆おすすめの果物
いちご・キウイなど

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ただし、ビタミンCは大量に摂取しても体にとどめておくことができません。そのため、一度に多く食べるのではなく、小分けにして食べるようにしましょう。

また、ほうれん草やブロッコリー、トマトなどにα-リポ酸が含まれています。α-リポ酸は、糖の代謝に関わっていて糖化を防ぐ作用があります。α-リポ酸は含まれている量が少ないので、これらを毎日食べるようにしましょう。

緑黄色野菜はシミやシワ予防の効果だけでなく、動脈硬化などのリスクも下げることも期待できます。

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おすすめの食べ物3 オリーブオイル

ご飯、パン、パスタなどの糖質を含む食事の際と一緒にオリーブオイルを少量摂ると、血糖値が急激に上がるのを防ぎ、糖化を予防します。

オリーブオイルを摂ることで、シワやシミができるのを避けるだけでなく、内臓や心臓、脳の血管などの劣化を防ぐ働きも期待できます。

オリーブオイル以外には、えごま油、アマニ油、ココナッツオイルもおすすめです。ただし、オイルの摂りすぎは肥満につながるため注意しましょう。

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おすすめの食べ物4 イワシ、さば、牛肉、豚肉

抗酸化力の強いコエンザイムQ10を含みます。コエンザイムQ10は、強い抗酸化作用があり、シワやしみ、たるみの防止が期待できます。

ただ、食品の中では少量なので、サプリメントなど上手に活用して摂り入れましょう。

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おすすめの食べ物5 ナッツ類

抗酸化成分のビタミンEを含み、とくに脂質の酸化を防ぎます。ナッツ類を積極的に食べると、過酸化脂質の発生が抑制されるため、血行不良による病気の予防、肌荒れ予防に期待が持てます。

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食べ物以外で気をつけたい「NG食習慣」とは

ポイント1 大食い・早食いは避ける

食事は、毎日3食を同じくらいの時間に食べ、食べすぎ、早食いを避けてください。早食い、大食い、糖質から食べるなどをすると、体を酸化させたり、糖化を進めたりします。

ポイント2 野菜から食べる

また、野菜、食物繊維などの多いもの(サラダや副菜)などから食べましょう。ご飯やパン、パスタなどは、初めに食べると血糖値が跳ね上がり、血管を傷つけます。

ポイント3 夕飯は早めに食べる

夕食は19時くらいまでに、遅くなるようであれば、夕方に少量小腹に入れておくことで、急激な血糖値上昇を抑えられます。

ポイント4 抗酸化力のある飲み物をとる

食事だけでなく、抗酸化力のある飲みものを飲めば、体の酸化、糖化にも働きかけアンチエイジングに期待が持てます。ルイボスティー、カモミールティー、どくだみ茶、甜茶などは、カフェインを含んでいないのでおすすめです。

監修者プロフィール

健康検定協会理事長
望月 理恵子

株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したも

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