トレーナーが語る、最強の疲労回復方法とは?「寝だめ」「家でゴロゴロ」は効果なし

疲れを感じたとき、どのような過ごし方をしますか? 寝だめをしたり、家でゴロゴロしてカラダを休めている人も多いかもしれません。しかし、それは疲れをとるために必ずしも効果的とは言えません。
実はカラダを動かさずじっとしているよりも、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動などをとり入れることで、コンディションを向上させることができるのです。
今回は、アスリートやプロスポーツ選手も実践している、疲労回復効果を高める「アクティブレスト(積極的休養)」や、その反対の「消極的休息(パッシブレスト)」について解説していきます。
監修は、プロスポーツトレーナー歴16年の和田拓巳さんです。
アクティブレスト(積極的休養)とは
カラダを動かすことによって疲労回復効果を高める方法
アクティブレストとは日本語で「積極的休養」と呼ばれ、その名の通り積極的にカラダを動かすことによって疲労回復効果を高める方法です。
「カラダを動かすと、さらに疲れるのでは」と思う人がいるかもしれません。しかし運動などでカラダを動かすと、血行がよくなって疲労物質の排出が促され、疲労回復の効果が高まるのです。
実際にプロアスリートも試合翌日を完全休養とはせず、軽い運動・練習(アクティブレスト)をとり入れ、その翌日に完全休養をすることも少なくありません。
一方、カラダを動かさずに休息する方法を「パッシブレスト(消極的休養)」と呼びます。
睡眠をとったり、家でゆっくりするなどの疲労回復方法は、このパッシブレストに分類されます。
アクティブレストにはどんなものがある?
アクティブレストにはいくつかの種類があります。例を交えて解説します。
ストレッチ
疲労が溜まっているときは、筋肉の張りが強く関節の可動域が狭くなったり、筋肉の張りによる違和感や疲労感、痛みなどが現れたりします。
ストレッチを行うことで縮まった筋肉を伸ばし、それにより血行がよくなることで、関節の可動域や筋肉のハリを改善する効果が期待できます。
ゆっくりと筋肉を伸ばす静的ストレッチ(スタティックストレッチ)、カラダを大きく動かしながら筋肉を伸ばす動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)、どちらも効果的です。
軽いエクササイズ
ストレッチ同様、軽い負荷でのエクササイズは筋肉の血行をよくし、疲労回復効果を高めます。トレーニングしようとすると、本格的に取り組んでしまう人がいるかもしれません。
しかし、ここではあくまでも休養のためと割りきり、ごく軽い負荷で行うようにしましょう。
ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動がおすすめ
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も疲労回復に効果的です。
一定のリズムで動作を繰り返す有酸素運動は、幸福ホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌を促します。
セロトニンは精神の安定をつかさどって気分を高揚させる働きを持ち、不足すると精神状態が不安定になります。
怒りっぽくなったりうつ病のような症状を引き起こすだけでなく、不眠や過食などカラダにとって悪影響を及ぼすことが知られているのです。
有酸素運動は、心身の疲労を回復するために効果的な方法と言えるでしょう。
買い物、散歩など
運動に乗り気でなければ、ショッピングなどでも構いません。外を歩く、散歩するくらいの運動でもアクティブレストの効果は期待できます。
プロアスリートのように土曜日はアクティブレストの日、日曜日は完全休養の日などと分けて考えるとよいかもしれません。休日を使って、積極的にアクティブレストを行うようにしましょう。
入浴
入浴は、水圧・温熱・浮力の効果を活用することで疲労回復を促します。ぬるめの温度のお風呂にゆっくり浸かることで、心身ともにリラックスすることができるでしょう。
疲労感が強い場合は、冷たい水と交互に入る交代浴も効果的です。運動後は、シャワーで済ませる人が多いかもしれません。
しかし疲労回復のためにも、しっかり入浴することをオススメします。
プールなどの水中運動
入浴同様、水圧や浮力を得られる水中での運動は、疲労回復に効果的です。
水圧は筋肉を圧迫しマッサージ効果を得ることができるほか、浮力は重力から解放して緊張を緩和させ、カラダにかかる負担を減らすことができます。
アイシング
運動によって起こる炎症を抑えるためには、アイシングが効果的です。運動後に痛む部位があれば、すぐにアイシングを行うようにしましょう。
アスリートの場合、疲労回復のためにアイスバス(氷水のお風呂)に入るなどして、全身を一度にアイシングすることもあります。
日常生活の疲れにもアクティブレストは効果的
アクティブレストは、運動後の疲労回復だけが目的ではありません。日常生活での疲れを感じたときも効果的です。
たとえばデスクワーク。
デスクワークの人は日頃からカラダを動かす機会が少ないため、筋肉の緊張が強く関節の可動域が狭くなりがちです。
そんな人は、ゆっくりカラダを休めても疲労感の回復にはつながりません。ストレッチなどを行ってカラダを動かす方が、よほど疲労回復効果が高いのです。
もちろんデスクワークの人だけでなく、肉体労働の人も同様です。
忙しい現代、勉強や仕事、もしくは競技スポーツなどでは、知らず知らずのうちにカラダに疲労が蓄積していきます。
重要なのは、疲れが溜まって痛みが出たときの対処ではなく、疲れを溜めないように日頃からアクティブレストを行い、こまめに疲労回復すること。
アクティブレストを日常生活の中にとり入れ、コンディション管理に役立てましょう。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
<Text:和田拓巳/Photo:Image by AI素材.com>
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