木下彩音 映画「サメ遊戯」で松島トモ子の若い頃の役 「殻を破れた」

[ 2025年4月2日 10:20 ]

映画「松島トモ子 サメ遊戯」のポスターの前で笑顔を見せる木下彩音
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 【牧 元一の孤人焦点】俳優の松島トモ子(79)が本人役で主演する映画「松島トモ子 サメ遊戯」(4月4日公開)で、俳優の木下彩音(25)が松島の若い頃を演じた。

 松島は昭和の時代の1986年、テレビ番組のロケで訪れたケニアでライオンとヒョウに相次いで襲われ重傷を負いながらも仕事をやり遂げたエピソードで知られる。

 木下は「私が大きくなってからテレビ番組で取りあげられているのを見て松島さんのことを知りました。私がこの映画に出演するお話を頂いて、家族に話したら、もちろん松島さんのことを知っていて『えっ、映画になるんだ?サメと戦うんだ!?』と驚いていました」と話す。

 映画「いかレスラー」「日本以外全部沈没」などの異色作で知られる河崎実監督の作品。松島がサメと戦うと言っても、米国のスティーブン・スピルバーグ監督の傑作「ジョーズ」のようなサスペンスではなく、着ぐるみのサメが相手という、河崎監督ならではの破天荒な娯楽作だ。

 木下は「着ぐるみとのお芝居は初めてでした。サメの着ぐるみを見て、かわいいと思ったけれど、河崎監督に『怖く見せたい』と言われ、戦っている時の必死な感じ、緊張感を出すのに苦労しました。河崎監督はまさに破天荒という言葉がぴったりの人で、テンションが高くて、カメラの前に出て来ちゃうんじゃないかと思うくらい、撮影に前のめりでした。こんなに監督との距離が近かった作品は初めてです」と笑う。

 お笑いタレントの岩井ジョニ男、ゆうぞう、格闘家のジョシュ・バーネットらとの共演が木下の見どころシーンの一つだ。

 「出ている方々が豪華で、共演させて頂いてうれしかったです。皆さんが振り切ったお芝居をされているので、それぞれのファンに楽しんで頂けると思います。注目して頂きたいのは皆さんの死に際です。いずれも凄い死に際になっていて、そこがこの映画の魅力の一つじゃないでしょうか」

 木下は2015年に「ホリプロタレントスカウトキャラバン」グランプリを獲得して芸能界入り。「ウルトラマンR/B」(18年)、「仮面ライダーガッチャード」(23年)、「忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編」(24年)に出演したことで“三大特撮制覇”の俳優として注目された。

 「今回の出演は私の特撮を見て頂いていたことがきっかけだと思います。これまで映画やドラマを中心に活動して来ましたが、この作品で殻を破れたと感じています。お芝居を始めたばかりの頃は人前に出るのも苦手だったんです。それが、この作品では、周りを意識することなく、楽しく振り切ることができました。今後のお芝居に向けて背中を押してもらった気がします」

 今後に向けては松島との出会いも大きい。同一人物を演じているため、二人の共演シーンはないものの、同じ撮影現場でその魅力に触れた。

 「ごあいさつにうかがいました。『若い頃を演じさせてもらいます』とお伝えすると『あら、そうなの』と笑顔を返してくれました。普段はおしとやかで、おっとりしているのに、サメと戦うシーンは凄くて感動しました。松島さんのように何歳になってもお芝居をしていたい。強く生きていきたい。あこがれます」

 敬愛する人物の若い頃を演じた高揚感と躍動感がこの作品に表れている。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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