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フィットとメルセデスAMGが混走!? 参加型レース最高峰『スーパー耐久シリーズ』ではどんなクルマが走ってる?

[ 2025年3月7日 17:00 ]

「S耐」の名で親しまれ、日本のレース界における参加型カテゴリーの最高峰に位置するスーパー耐久シリーズ。不況の影響で一時は参加台数が大幅に減少したものの、近年では国内で最も盛り上がっているシリーズのひとつであり、2025年においてはエントリー数が70台を超える見通しとなっている。

2024年のもてぎ戦の様子

それを受け、今シーズンに向けて一部のクラス区分が変更に。また、開幕戦の舞台となるモビリティリゾートもてぎでは、これまで全車両が混走していたが、今年は2グループに分かれてレースを行うことになった。

今回はもてぎでのグループ1に参加する5クラスの概要と参加車両を見ていく。

ST-Zクラス

ST-Zクラスに参加するのはSROよりBoPが発行されているGT4公認車両、およびGT4企画に準ずる車両。GT4は自動車メーカーが自社のスポーツカーをベースに開発・製造し、市販したレーシングカーで競う、いわゆるカスタマーレーシングカテゴリーに分類され、現在世界のハコ車レースにおけるスタンダードとも言えるGT3のすぐ下に位置する。

かつてはGT3もジェントルマンドライバーの間で高い人気を誇っていたが、近年は価格の高騰や、パフォーマンスアップによってドライビングが難しくなるなどしてプロ化。これを受けて、GT4市場は近年急激な成長を遂げた。

GT4ではトヨタ・スープラや日産フェアレディZなどの定番やメルセデスAMGなどの高級スポーツカーほか、ロードカーの存在しないジネッタG55といった個性的なマシンも存在する。

ST-Zクラスは2017年に導入された。同年にはエントリーはなかったが、翌年からエントリー数が徐々に増加。2024年には合計13台が参戦するなど、激戦カテゴリーのひとつとなった。

ST-ZクラスのGRスープラGT4(写真は2024年のもの)

ST-TCRクラス

ST-TCRクラスで走るのは、FIAまたはWSCよりBoPが発行されているTCR規格車両、およびTCR規格に準ずる車両。TCRはGT3、GT4と同じく、カスタマーレーシングカテゴリーのひとつ。異なるのは“車格”で、TCRはツーリングカーとなる。

ベースとなるのは主にCセグメントの4ドア、または5ドアのクルマで、駆動方式はFF、エンジンは直列4気筒ターボとされている。TCRは基本的にスプリントレースに用いられるが、S耐では耐久レース向けのパッケージが適用されたものが走っている。

ST-TCRクラスは2017年、ST-Zクラスと同じタイミングで導入された。近年では台数が減少傾向ではあるものの、ホンダ・シビック タイプRやアウディRS3などがしのぎを削っている。

ST-TCRクラスで走るホンダ・シビック タイプR TCR(写真は2024年のもの)

ST-4クラス

ST-4クラスに属するのは排気量1500ccから2500ccまでのクルマ。かつてはホンダ・インテグラ タイプRやS2000が躍動したこのクラスだったが、トヨタから86が発売されるとたちまち主役に。現在はトヨタGR86が圧倒的多数であるものの、NC型のマツダ・ロードスターも現役だ。

ST-4クラスの多数派であるトヨタGR86(写真は2024年のもの)

ST-5F/ST-5Rクラス

ST-5FおよびST-5Rクラスは、排気量1500cc未満の車両がエントリーするシリーズ最小のクラス。2024年までは駆動方式に関係なくST-5のひとクラスとなっていたが、エントリー数が多いことなどの理由で、2025年からは前輪駆動車のST-5F、後輪駆動車のST-5Rと2クラスに分割。ポイントスタンディングも分けられることとなった。

フィットなどのFFコンパクトカーは、今年からST-5Fクラスに(写真は2024年のもの)

ST-5Fではトヨタ・ヤリスやホンダ・フィットといったコンパクトカー、ST-5Rにはマツダ・ロードスターが走っている。

マツダ・ロードスターは2025年からST-5Rクラスとなり、FFコンパクトとは別クラスに。(写真は2024年のもの)

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2025年3月7日のニュース