×

重岡銀次朗リベンジならず 昨年7月敗れたタドゥランにまたも…試合後グッタリ、力入らず担架で搬送

[ 2025年5月24日 16:53 ]

プロボクシングIBF世界ミニマム級タイトルマッチ   王者 ペドロ・タドゥラン(フィリピン)<12回戦>同級4位 重岡銀次朗(ワタナベ) ( 2025年5月24日    インテックス大阪 )

タドゥラン(左)のパンチを浴びる重岡(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 前IBF世界ミニマム王者で同級4位の・重岡銀次朗(25=ワタナベ)が王者ペドロ・タドゥラン(28=フィリピン)に2―1の判定で敗れ、王座返り咲きに失敗した。連敗の重岡銀は11勝9KO2敗1無効試合、初防衛に成功したタドゥランは18勝13KO4敗1分け。

 重岡銀は足を使いながらジャブで組み立てる立ち上がり。飛び込みながら左を伸ばしてくるタドゥランをボディー中心にカウンターを狙ったが、王者は圧力を弱めることなく印象に残る強烈な左ストレートを当ててきた。距離が縮まるとタドゥランのプレスが止まらないとみるや、重岡銀はカウンターを徹底して左をヒット。それでも王者の手数は衰えなかった。

 中盤以降も重岡銀がカウンターを決めれば、タフなタドゥランがパワーで押し返す展開。ヒリヒリとするつばぜり合いから11回には王者の強烈な左フックが入った。最終12回には激しく打ち合った両者がもつれてキャンバスに倒れ込むシーンもあった。ジャッジの採点は2人が115―113、118―110でタドゥラン、1人が115―113で重岡銀を支持。敗れた重岡銀は力が抜けたようにコーナーでグッタリとし、呼びかけにも応えられなくなったため担架でリング外へ運ばれた。

 アマ時代から継続させていた“生涯無敗”が途切れてから約10カ月。昨年7月、3度目の防衛戦で9回2分50秒TKO負けした因縁の相手へのリベンジに失敗した。右眼窩(がんか)底骨折を負わされた前戦以降は課題の防御面を強化。正面構えだった構えを半身に修正するなど変えられるものは全て変えたが、再び大きな壁が立ちはだかった。

 3月には兄で前WBC世界ミニマム級王者の優大(27=ワタナベ)が王者メルビン・ジェルサエム(31=フィリピン)に判定負けし、王座返り咲きに失敗した。銀次朗は「倒してこそ盛り上がる」と将来的なリベンジに意欲的だったが、兄に続く敗戦でその権利を得ることに失敗した。

 プロモーターの元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏は今後のミニマム級4団体統一構想も明かしていたものの、次戦以降で見据えていた他団体との統一戦プランも白紙に。生涯初黒星からのまさかの連敗で重岡銀が窮地に立たされた。

続きを表示

この記事のフォト

「井上尚弥」特集記事

「那須川天心」特集記事

2025年5月24日のニュース