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原点回帰の大切さを教えた恩師 清水に感謝「指導者冥利に尽きる」

[ 2023年7月26日 04:38 ]

WBO世界フェザー級タイトルマッチ12回戦   ロベイシ・ラミレス―清水聡 ( 2023年7月25日    有明アリーナ )

防衛に成功したラミレス(左)は清水の健闘を称える(撮影・島崎忠彦)
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 関西高から駒大の約8年間、清水を指導した熊本道之氏(66)は愛弟子の世界初挑戦をテレビで観戦。「勝利を期待していただけに残念。もう少し早いタイミングで世界挑戦させてあげたかった」と敗戦を悔やんだ。

 出会いは22年前にさかのぼる。コーチを務めていた関西高ボクシング部に、中学で卓球部だった清水が入部。約半年間、部活をやめた時期もあったが、基本的に練習を休むことはなかったという。

 熊本氏は、清水の駒大進学と同時に、同大ボクシング部コーチに就任。つきっきりで指導した。「才能があるタイプではなかったが、反復練習をよくする子だった」。2人の濃密な時間によって、1年時の国体、3年時の全日本選手権優勝と結果も出た。

 プロ入りした後も、2人の関係は“師弟”のままだった。調子を落とした清水から、電話で呼び出されたことは一度や二度ではない。練習場所がない時は、公園でミット打ちを行ったことも。今回の世界初挑戦前にも「スパーリングを見てほしい」と連絡があったといい「あいつは考えすぎるところもある。原点に返って昔よく倒していた形、“ダッキングからの右フック”を思い出せと伝えた」と明かした。

 世界初挑戦は、清水が銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪の時と同じ心境だった。「あの時も劇的にうれしかったが今回も同じ。指導者冥利(みょうり)に尽きる」と感謝を口にした。

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2023年7月26日のニュース