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尚弥の父・真吾トレーナー スーパーバンタム級転向で調整法にゆとり「ベストだと感じた」

[ 2023年7月26日 04:44 ]

WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦   〇WBC1位WBO1位 井上尚弥《8回1分14秒TKO》統一王者スティーブン・フルトン● ( 2023年7月25日    東京・有明アリーナ )

(左から)父・真吾トレーナー、井上、弟・拓真(撮影・島崎忠彦)
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 転級初戦でも圧倒的な強さを証明した井上。父・真吾トレーナー(51)も「1回のリードジャブの差し合いで、安心して見ていた。思いのほか、ナオ(尚弥)が距離とステップでリードを外していたのが良かった」と危なげない戦いぶりにうなずいた。

 体重リミット1・8キロ増が好影響であったことの効果を本人よりも感じていたのは真吾トレーナーだった。仕上がりについては「相当スパーリングをやってきたが、今回は波がなかった。顔を見てもストレスから解放されたのが分かるし、雰囲気が違った。やっぱりナオにとってはスーパーバンタム級がベストだと感じた」と手応えを口にしてきた。

 “試合のための練習”が本来の力を引き出した。尚弥はこれまで、特にプロデビュー直後のライトフライ級時代の試合直前はほとんど何も口にせずに体重制限と戦ってきた。肉体的に成長を続ける当時の尚弥にとっては限界を超えたもの。「あの頃は減量がきつく、思ったような練習ができていなかった。3、4日前からほぼ飲まず食わずで全部が中途半端だった」と真吾トレーナーは振り返る。

 だが、今回はバンタム級の53・5キロから1・8キロのゆとりができたこと。「練習で動けるから汗もかいて体重も落ちる。体重に縛られず、いいサイクルで調整ができた」と好循環を強調する。ただこれまで、10キロ近くの減量にも尚弥が弱音を吐くことは決してなかったという。「好きでやってる以上、口に出してはいけない思いが本人にあったみたい。昔は僕も細かいことに口を出したが、もう今は全て本人任せ。ベテランですからね」と快挙を成し遂げた愛息に優しい視線を送った。

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2023年7月26日のニュース