亀田大毅氏　大混乱…裁定変更の世界戦に苦言「これは可哀想」「これならずっと防衛できますよ」

プロボクシング・IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦   同級5位・重岡銀次朗≪無判定試合≫王者ダニエル・バラダレス （ 2023年1月6日    エディオンアリーナ大阪 ）

亀田大毅氏
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　IBF世界ミニマム級5位の重岡銀次朗（23＝ワタナベ）は同級王者ダニエル・バラダレス（28＝メキシコ）と3回2分48秒負傷引き分けで、プロ9戦目での世界王座奪取を逃した。プロアマ通じて“人生で一度も負けたことがない男”にとってキャリア初の引き分けで、世界初挑戦を実らせることができなかった。しかし、その後、裁定が変更され無判定試合に。大混乱の中、後味の悪い世界戦となった。この試合の解説を務めたボクシング亀田3兄弟の次男で、元世界2階級制覇王者の亀田大毅氏（33）がこの試合に対して苦言を呈した。

　2023年最初の世界タイトルマッチで新王者は誕生しなかった。3回終盤、偶然のバッティングでバラダレスが頭部の痛みで試合続行不可能をアピール。解説を務めた大毅氏は「銀次朗も当たってますけどね。あまりにも（アピールが）酷いと減点取られますよ」と話しているとゴングが鳴った。「戦う意志がないと判断したんでしょうね。心を折ったんでしょうね」とバラダレスの戦意喪失と思っていた。すると偶然のバッティングからの負傷引き分けとなった公式アナウンスが流れた。その後、裁定が変更され無効試合となった。

　会場はため息に包まれた。重岡は青コーナーにうずくまり、悔し涙を流した。大毅氏は「いや～自分から痛いとアピールしてバッティングはバッティングですけど…あのボクシングしてたらボクシングできないですけどね。もっとひどいのもあるので」と苦言を呈した。

　さらに「わざとはダメですけど、ボクシングにバッティングは付き物ですからね。お互いパンチを出してますからね」と話した。

　バラダレスが自分から頭を当てにいっているようにも見えるため「これはちょっと厳しいですよね。ちゃんと見てもらいたいですよね。これならずっと防衛できますよ。ここで解説したくなかった感じですね。これは可哀想。チャンピオンだったら戦ってほしかったですけどね」と解説に座りながらも心の声を漏らした。

　不可解な判定で試合が終わった重岡に対しても「ただ無念。みんなが見てわかっていると思います。銀次朗はまた帰ってきて世界王者になってくれると思います」とエールを送った。