「ワールドプロレスリング」でアントニオ猪木さんを追悼特集　レジェンド7人が猪木さんへの思い語る

98年4月4日に東京ドーム大会で引退試合のリングへ花道を歩くアントニオ猪木さん
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　8日深夜にテレビ朝日で放送された「ワールドプロレスリング」（土曜深夜1・00）で1日に79歳で死去したアントニオ猪木（アントニオいのき、本名・猪木寛至＝いのき・かんじ）さんの追悼番組を放送した。

　番組冒頭では猪木さんのプロフィールやこれまでの経歴が紹介された。そしてプロレス界のスーパースターがこの世から去り、猪木さんの付き人を経験した人間も含めてプロレス界のレジェンドである藤波辰爾（68）、藤原喜明（73）、初代タイガーマスク（64）、前田日明氏（63）、武藤敬司（59）、蝶野正洋（59）、獣神サンダー・ライガー氏（57）の7人が口を開いた。

　藤波は「一瞬、頭の中が真っ白にですよね」と訃報を聞いた時を回顧。「自分が理想とする闘魂溢れるストロングスタイルをつくるからとにかく猪木さんに付いていけば大丈夫だと思った。不安もなかった。力道山先生からも闘魂というのは続いてきてるんでしょうけど、燃える闘魂という言葉は猪木さんのための言葉。猪木さんに憧れてプロレス界に入ったのは僕だけじゃないと思いますけど、いろんな人に影響を与えたという意味では計り知れないですね」と猪木さんは藤波の人生そのものだったと話した。

　蝶野は「覚悟はしてたんですけどちゃんと受け止められていない。雲の上のスーパースターでした。表に出る人間というのはやっぱりどこからでも見られていることを意識する。それは亡くなられるまで猪木さんというのはそのオーラを常に意識して出してたと思います」と語った。

　今のプロレスがあるのは猪木さんの影響が大きいという武藤。「（猪木さんは）今のプロレスの礎をつくった。猪木さんが存在しなかったら、もしかしたらプロレス自体が生き残っていたかどうかわからないと思うんだよな」。

　前田氏も「もうああいう選手は出てこないでしょうね。猪木さんがいなかったら70年代の中頃ぐらいにもうプロレスは人気が落ちてテレビ放映もなくなってたでしょうね。総合格闘技もなかったでしょうね」と今のMMAも猪木さんがいなければ実現していなかったと話した。

　そして「結構なケガをしても無理をしてやってる試合も多かったですよね。本人はおくびにも出さず試合をしていて大変だっただろうなと思います」とリング下から見た猪木さんの姿についても明かした、

　藤原は「スパーリングパートナーでした。いつもどんな時でも“来い”と言われたら“はい”と言って上がったりして、いっぱい思い出があるね。何か言葉に出しちゃうと薄っぺらくなってしまう。まぁ私にとって神様だったです」と猪木さんとの思い出を明かした。

　初代タイガーマスクは「練習なんかは厳しいですけども私生活では非常に優しい人でした。私生活で叱られたことないです」と私生活の部分を明かし、「力道山先生以降、アントニオ猪木がプロレスだと思います。柔らかくて、力があって、頭脳的であって、技術を全部知ってて、怒りも知っている。パーフェクトな人間だったと思いますね。天才ですね」と故人を称えた。

　ライガー氏「第一報を聞いた時には全てが止まりましたね。アントニオ猪木さんというのは大きな山でした。僕は頂上を目指すアリ。それぐらいアントニオ猪木さんは大きかった」と振り返った。

　番組内では猪木さんの名勝負である76年6月26日に日本武道館で開催されたモハメド・アリとの異種格闘技戦、96年1月4日に東京ドームで開催されたビッグバン・ベイダー戦、98年4月4日に東京ドームで開催された引退試合のドン・フライ戦の3試合がダイジェスト版で放送された。

　《家族葬で執り行う猪木さんの葬儀日程》1日に心不全で亡くなった元プロレスラー、アントニオ猪木さん（本名・猪木寛至、享年79）のマネジメント会社、猪木元気工場（IGF）は8日、家族葬で執り行う猪木さんの葬儀日程を発表した。13日午後6時から通夜、14日午前9時半から告別式を都内で行う。会場は公表されなかった。一般の方のために後日「お別れの会」を開く。