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西田凌佑「倒せなくて、すいません」 WBOAPバンタム級王座を2度目防衛も

[ 2022年10月9日 21:03 ]

ペレシオ(左)に判定勝ちして2度目の防衛に成功した西田
Photo By スポニチ

 プロボクシングWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王者の西田凌佑(26=六島)が9日、大阪市の住吉区民センターで2度目の防衛戦に臨み、挑戦者の同級14位アルジュム・ペレシオ(24=フィリピン)をアウトボクシングで寄せ付けず、10回判定3―0、(100―90×3)で下した。しかし勝利後のリングで「倒せなくて、面白くない試合で、すいません」と場内のファンへ謝罪した。

 相手は東洋同級で13位につけ、試合まで戦績11勝(6KO)1敗の右構え。武市トレーナーは「“ザ・フィリピンファイター”という感じで身体能力が高くスピードがあり、けっこう振ってくる。一発で試合を終わらせられる可能性がある」と警戒していた。西田は丁寧に右ジャブを突き、距離を保ちながら左ボディー、右フックやワンツーと着実に当てる。序盤からカウンターで一発狙いの相手は手数が少なくロープやコーナーを背負う場面が多かった。

 西田がクリーンヒットし、チャンスに見える場面でもセコンドからは「深追いするな」「勝つことが前提や」など自重を求める声ばかり。それには理由がある。試合の2~3週間前まで、高校生を相手にしたスパーリングでも打たれまくるほど極度の不振に陥った。その原因が判然とせず“おはらい”をしてもらうほど追い込まれ、大きな不安を抱えたまま試合に臨んだ。

 ダウンを奪う場面はなかったものの、フルマークの完勝。「今までの対戦相手でいちばんパンチがあった。いき過ぎたらヤバいと思った。正直に言えば、倒したかったけど。ここでは負けられないし、リスクを取らなかった」。昨年12月の初防衛戦前に右手首を痛め、その後は腰痛に悩まされながらV2にこぎつけた。現在の世界ランクはIBF10位、WBO11位、WBC15位。世界初挑戦のチャンスを待ちながら精進を続ける。

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2022年10月9日のニュース