河本力が滑り込みで初の全英切符「絶対につかみたいと」優勝争いから脱落も最終ホールで意地

[ 2025年6月1日 20:34 ]

男子ゴルフツアー ミズノ・オープン ( 2025年6月1日    岡山 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部=7461ヤード、パー72 )

<ミズノオープン・最終日>全英オープンの出場権を得た(左から)宋永漢、阿久津未来也、河本力(撮影・中辻 颯太)
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 河本力(25=大和証券)が滑り込みで2位に入り、全英オープン(7月17日、北アイルランド、ロイヤルポートラッシュGC)の出場権を手にした。

 首位に2打差の3位でスタートしたが、出だしから思うようなゴルフができなった。

 「(1番で)セカンドが飛んじゃって、思い通りのショットじゃなかったので、あれっとなった。2番はティーショットもセカンドも良いショットを打ったのに3パット。あれっ、あれっというのが続いちゃった。それが(5番からの)3連続ボギーにつながった」と悔やむ。

 それでも、そこからずるずる行かずに気持ちを切り替えた。強風の中、8番で「良いバーディーが取れた」と嫌な流れを断ち切った。

 「3連続ボギーでも気持ちを切らさずに最後までやるのはプロとして当然。1人でゴルフをやるわけじゃないので、(応援してくれる)みんなの思いも背負って、自分に負けずやれた」と13番で2メートル、15番でフェアウエーからの第2打を1メートルにつけてバーディーを奪い首位の阿久津に2打差まで迫った。

 最終18番は3日目にイーグルを決めた相性の良いホールだっただけに逆転Vの期待も膨らんだ。

 しかし、その前の17番でティーショットをミスして右ラフに曲げ、第2打もグリーンの手前ラフに入れてしまった。さらに3打目のアプローチをザックリのミスで、4オン2パットのダブルボギーとし優勝争いから脱落した。

 ここで気持ちがぷっつり切れてもおかしくなかったが「受け止められないくらい悔しかったんですけど、まだ(上位3人に入れば)全英オープンの可能性はあった。優勝は多分なくなった。でもそれで全部捨てるのは本当にかっこ悪いし、プロゴルファーとしても情けないと思った。せめて全英だけでも絶対につかみたいと思った」と気持ちを奮い立たせた。

 この時点でスコアは通算8アンダーで米沢蓮と並んで3位だった。ただ、上位3位の成績が複数人で並んだ場合は、世界ランキングの上位者に全英の優先権があった。そのため、河本が全英切符を手にするには18番のバーディー以上が絶対条件だった。

 そうして迎えた最終ホールで、勝負をかけた。「100%の力で打った」ティーショットをフェアウエーウエーに置く。続く2打目はピンまで残り203ヤード。これを7Iでピン手前8メートルに2オンさせた。イーグルパットは決められなかったが、80センチまで寄せた。「(米沢が)昨年凄い活躍していたので、世界ランクが自分より上にいるだろうと思っていました。だから最後のバーディーパットはメチャ緊張しました。風も吹いていたし。今はあれが入って本当にほっとしています」と胸をなでおろした。

 全英オープンは初出場。初のメジャー挑戦は昨年の全米オープンだった。予選会から勝ち上がって出場したが、通算19オーバーで屈辱の予選落ち。自分の世界での“現在地”を思い知らされた。

 だが、その屈辱を糧に今オフは徹底的に自分を追い込んだ。パット、アプローチに磨きをかけ手応えをつかんでシーズンを迎えていた。あれから1年、自分自身、成長できたという思いはある。

 「全英は昔から行きたいと思っていたところですし、それこそテレビで見ていた世界。やっぱりここ(JFE瀬戸内海GC)に似て風も強いだろうし みんなが凄い苦労している映像もたくさん見ている。自分の状態は昨年全米に出たときとは違う。全英でどこまで戦えるのか、凄い楽しみです。それまでにコンディションを整えて万全の状態で戦えるようにしっかりと良い準備をして臨みたいです」と2度目の大舞台に思いをはせていた。 
 

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