「糖尿病とEDは大いに関係アリ」なぜ性欲が減退する?内科医が語る“糖尿病と性”

「糖尿病とEDは大いに関係があります。糖尿病を発症した患者さんには高い確率でEDが起こります」と語るのは、平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック内科医の岡村信良先生。
勃起機能の低下を意味するEDと、糖尿病にはどんな関係性があるのでしょうか。
糖尿病とEDの深~い関係性とは
岡村先生:血糖(血液の中に含まれるブドウ糖)が高い状態が続いていると、神経に栄養を与える血管が傷ついて血流が低下したり、神経内に不必要な物質がたまったりして、神経の働きが阻害されてしまいます。
その中でも自律神経に障害が起こると、下痢や便秘が続く・不整脈・発汗障害・食欲不振・ED・めまいなど「自律神経失調症」の症状を起こします。
岡村先生:健康な人では、性的な刺激によって大脳が興奮すると、その興奮は勃起中枢に伝わり、さらにペニスの陰茎海綿体の神経に伝わり、勃起が引き起こされます。
高血糖によってこの神経が障害を受けると、十分な興奮が届かないため、EDとなるのです。
岡村先生:また勃起には、性的な興奮を感じる「脳」、興奮を伝達する「神経」、血流を確保する「血管」、勃起を維持する「男性器(海綿体)」の4つが正常に機能することが必須条件です。
そのため、神経以外の別の機能が損なわれても、EDになることがあります。
糖尿病で高血糖が続いていると、血管が老化しボロボロになります。そのため、性的刺激が起こっても血管の拡張や陰茎の平滑筋の弛緩(しかん)が十分に行われません。
すると、勃起に必要な血液が陰茎に行き届かず、勃起が不十分となります。
次:糖尿病で「EDになりやすい人」「EDにならない人」の違い
糖尿病で「EDになりやすい人」「EDにならない人」の違い
岡村先生:糖尿病でもEDにならない人もいます。それは、糖尿病の期間が短い人、血糖コントロールがうまくいっている人です。
逆に、血糖値はそれほど高くなくても、血圧が高い・コレステロール値が高い・喫煙・過剰な飲酒などほかの要素が加わることでも血管は老化しやすくなり、EDを引き起こします。
女性は「性的興奮障害」になるケースも
岡村先生:女性が糖尿病になると、性器周辺の神経障害を起こし、感覚が著しく低下し、性的興奮障害になることがあります。
性的興奮障害は、好意を持った異性と一緒にいたり、キスをしたり、性器への刺激に対して、体の反応や快楽を感じにくくなる状態です。
健康な女性であれば、性的な刺激によって大脳が興奮し、外陰神経に興奮が到達すると、腟や外陰部の血流が増加し、腟分泌液が増加し、陰核の肥大がおこり、乳房がやや張るなど、身体的な変化をもたらします。
糖尿病の女性の場合はそれらの変化も乏しいため、性器への刺激や性交に喜びを覚えず、困難で痛みを生じるものとなります。そうなると、性交の意欲そのものが無くなる「性的意欲障害」にもなってしまいます。
また、性的興奮障害の一種で“性器興奮障害”があります。
これは、アダルトビデオなど性的な映像やコミックを見たときには性的興奮を覚えるのに、性器への刺激や性交に対して、身体の反応や快楽を感じにくくなる状態です。
糖尿病の治療はマスト
岡村先生:男性のEDも女性の性的興奮障害も、飲み薬や注射などで改善することができます。しかし、根本治療にはなりませんので、糖尿病の治療と並行して行うことをおすすめします。
糖尿病の初期は、自覚症状がほとんどありません。
糖尿病が進行してからED、自律神経失調症、腎臓病・糖尿病網膜症・手足の壊死(えし)など、全身に症状があらわれます。そうなるとパートナーや家族にも大きな負担がかかります。
もし検査で異常値が見つかった場合、早期にご自身の食生活を見直す必要があります。
監修者プロフィール
岡村 信良(おかむら・のぶよし)先生
内科医。経歴:平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。
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