発達障害の人と会話が噛み合わないのはなぜ?その理由と対処法

[ 2025年3月11日 09:00 ]

発達障害のひとつ「ADHD(注意欠如多動症)」。ADHDの人と話が噛み合わない、仕事で何度教えても同じミスをする。説明が通じない……どうすればいいのか。ともしびクリニック代表医師・江越正敏先生が解説します。

なぜADHDの人と話が嚙み合わないのか

江越先生:以下の理由により、ADHDの人が会話に集中できていない可能性があります。

理由1 話が長い

ADHDの人は、集中力が続かないことがあります。そのため、話が長いと内容を記憶しておくことが難しくなり、会話が噛み合わなく感じる場合があります。

理由2 会話の内容に興味がない

ADHDの人が話題自体に興味を持てず、会話に集中できていない可能性が考えられます。

ADHDの人は、興味があることには高い集中力を発揮する一方で、関心のないことに取り組むのが苦手という特性があります。

興味のない話題だと、集中力が途切れてしまいやすいです。

理由3 周囲の環境が騒がしい

周囲の環境が騒がしいため、会話に集中できていないというケースも考えられます。

ADHDの特性はさまざまですが、中には周囲の音に敏感な人もいます。雑音で気が散ってしまい、目の前の人との会話に集中できないことがあります。

ADHDの人と話が噛み合わないときの対処法

江越先生:話が噛み合っていないと感じた際は、「今はこの話をしているよ。あなたはどう思う?」「ありがとう、その話についてはよくわかったよ。じゃあ、○○についてはどう思う?」といったように、会話の流れに応じて軌道修正をしてあげましょう。

職場にADHDの人がいるとき、周りはどう配慮するといいのか

仕事の際の会話では、「簡潔にわかりやすく伝える」ことを心がけましょう。その上で、以下の作業を一緒に行うことをおすすめします。

  • メモを取る
  • 復唱してもらう
  • 最後に見直す
  • ミスを減らすためのマニュアルを作る

これらの方法は、ADHDの人に限らず、スムーズに仕事を進めていく上で役立ちます。

多動・忘れっぽい・過集中など、ADHDの人は仕事に支障をきたす特性があるため、少しでも落ち着いて行動できる環境を整えることを意識してください。

次:なぜADHDの人は「話が飛ぶ・自分の話ばかり」が多い?

ADHDの人に多い「話が飛ぶ・自分の話ばかり」には理由がある

江越先生:ADHDの人の会話には、「話が飛ぶ」「自分の話ばかりする」といった傾向がみられます。これらは、特定のキーワードに反応してしまう・周囲の空気を読めないといったADHDの特性が関係していると考えられます。

ADHDの人は脳機能の特徴により、特定のキーワードが印象に残って、その部分がクローズアップされやすいです。

そのため、会話の途中で本題からそれた内容を話し始めることが多くなり、一緒に話している人からすると「話が飛ぶ」と感じやすくなります。

また、多動・衝動性といった特性により、周りの空気を読まずに今感じたことを話してしまう傾向があるため、「自分の話ばかりする」と受け取られることがあります。

ADHDの人によく見られる会話の特徴

  • 話題が飛ぶ
  • 一方的に話し続ける
  • 相手の話の腰を折る
  • 早口
  • 声が大きい
    ※個人差があります。

監修者プロフィール

ともしびクリニック代表医師
江越 正敏先生

佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2025年3月11日のニュース