【高松宮記念】キンシャサノキセキ余裕と貫禄の１２秒４

＜第４０回高松宮記念追い切り＞ポリトラックコースで追い切るキンシャサノキセキ

　もう２着はいらない！「第４０回高松宮記念」の追い切りが２４日に美浦、栗東の両トレセンで行われ、重賞３連勝中のキンシャサノキセキが、美浦のポリトラックで軽快な動きを披露。０８年２着の雪辱に向け、万全の態勢を整えた。

　余裕と貫禄が漂うキンシャサノキセキの動きだった。最終追い切りはポリトラック単走、馬なり。普段、レース週は４Ｆからだが、今回は５Ｆからの“勝負仕上げ”で５Ｆ６７秒７～１Ｆ１２秒４。適度に気合が乗り、脚さばきも力強い。菅沼助手は「そんなに掛かる感じでもなく、最後までハミを取って走ってくれた。レースを使ったダメージもなく、状態としては万全」と胸を張った。
　２週連続の馬なり調整。もちろん、時計は目立たないが、これで十分だ。７歳を迎え、目下重賞３連勝中。菅沼助手は「トモ（後肢）の張りも出てきて、今になって最高に良くなってきた」と肉体面の充実を挙げた上で「追い切りを軽くしたのも合っているんだろうね」と分析する。これまでは気性面に課題があり、強めの追い切りでは本番で燃えすぎてしまうことがあったが、今は「ズルさと燃え方が、ちょうど良くなってきた」。２走前の阪神Ｃは出遅れながら豪快に差し切り、前走・オーシャンＳは実績のなかった道悪を克服した。強さともろさが同居していた以前の面影はない。
　スプリントＧ１は０８年に高松宮記念、スプリンターズＳとも２着。特に高松宮記念はファイングレインに首差と、あと一歩のところで涙をのんだ。それでも菅沼助手は「あのころは若かった」と当時からの成長を強調した。
　馬名の由来はボクシングのムハマド・アリが下馬評を覆してジョージ・フォアマンを下した名勝負。しかし、今のこの馬に“奇跡”など要らない。「自信を持って使える。まあ、大丈夫だと思いますよ」と菅沼助手。普通に走れば、それで十分勝ち負けになる。そう言わんばかりだった。