桂由美さん死去 今年2月には高梨臨主演でドラマ化 好奇心旺盛で負けん気が強くシャイな性格

[ 2024年4月30日 12:45 ]

桂由美さん(1992年撮影)
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 ブライダルデザインの第一人者、桂由美(かつら・ゆみ、本名結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが26日、死去した。30日に公式サイトで発表された。94歳。葬儀は行わず、追悼ショー(しのぶ会)を後日開催する予定。

 日本のブライダルファッション界の第一人者として世界で活躍する桂さんの半生は、今年2月に女優の高梨臨主演でドラマ化された。「はれのひシンデレラ ウェディングドレスを日本へ!ある女性の挑戦」が、2月24日に読売テレビ・日本テレビ系で放送された。

 ドラマは、約60年前の結婚式でウエディングドレス着用率が3パーセントだった時代が舞台。桂さんは「女性たちの選択肢を増やしたい」と、赤坂で日本初のウエディングドレス専門店をオープンする。しかし、着物業界からの嫌がらせや相次ぐ注文キャンセル、日本ではドレスの素材すらそろわないという現実で赤字続き。社員に給料を渡すのが精一杯で、約10年間はほぼ無給だったという。

 それでも、「すべては花嫁の笑顔のために」という思いから尽力。やがて、逆境を跳ねのけるきっかけとなった奇跡の1着、「ユミライン」が誕生するというストーリー。

 ドラマの中で桂さんは、好奇心旺盛で負けん気は強いが、人に甘えるのが苦手でシャイな性格として描かれていた。

 実際に桂さんは過去のインタビューで、長年のこの仕事を続けることができた理由について「好きな道を選んだから」と答えている。花嫁を誰よりも美しく輝かせたい、笑顔にしたいという飽くなき探究心と情熱が、日本の結婚式の常識を変えた。

 桂さんは1930年4月24日生まれ、東京都出身。1964年、日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動を開始した。翌年、日本初のブライダル専門店をオープン。日本のブライダルファッション界の第一人者としてパリやNYなど世界各国30以上の都市でショーを行い、「ブライダルの伝道師」とも称される。69年にはNPO法人全日本ブライダル協会を設立。72年に元大蔵省官僚の結城義人さんと結婚し、90年に死別している。1993年に外務大臣表彰、2019年には文化庁長官表彰を受賞。

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2024年4月30日のニュース