藤井王位もビックリ!? 王位戦第1局1日目午前、挑戦者・豊島九段がいきなりの「歩頭桂」繰り出す

[ 2022年6月28日 13:17 ]

豊島将之九段との王位戦第1局に臨んだ藤井聡太王位(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王位(19)=王将、竜王、叡王、棋聖含めて5冠=が挑戦者に豊島将之九段(32)を迎える第63期王位戦7番勝負第1局は28日、愛知県犬山市で1日目が始まり、振り駒の結果、先手は豊島に決まった。戦型は豊島の誘導で角換わりへ進み、昼食休憩までに48手進んだ。

 1日目午前から驚きの指し手が挑戦者から繰り出された。45手目、囲いへ入城した後手藤井王の頭上を守る歩の利きに、桂を打った。

 「歩頭桂」と呼ばれ、桂を犠牲にする代わりに寄せのスピードアップを図る、終盤によく現れる手筋。王の2マス手前まで飛車の利きを背に受けた歩を前進できる。代償として銀損を負うだけに、豊島の事前研究の深さをうかがわせ、対局室に戦慄(せんりつ)が走った。

 昨年度は王位戦、叡王戦、竜王戦と3タイトル戦で藤井に敗れ、無冠へ転落した。3タイトル戦で14局指し、3勝11敗。竜王戦が集結した昨年11月以来7カ月ぶりに藤井とタイトル戦で立ち向かうチャンスを得て、「タイトル戦に出るのにもう少し時間がかかると思っていた。(成果を)盤上で出していきたい」と前日会見で意気込みを語っていた。

 午前12時半からの昼食休憩は藤井が「イタリアンセット 犬山野菜のガスパッチョを添えて」、豊島が「木曽川の恵み 鮎」。藤井はトリュフバターのフレッシュパスタ、豊島は木曽川産鰻のミルフィーユと両者地元食材を使った料理を選択した。ただ、局面は緊迫感に満ち、食事を楽しめる余裕があったかどうか不明だ。

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