×

「シビックタイプR」と「フェアレディZ」を徹底比較! FFの極みとFRの真髄どっちを選ぶ?

[ 2025年5月2日 17:00 ]

スポーツ性のなかに実用性が備わるシビック、造形にこだわるフェアレディZ

シビックタイプRは、全長4595mm×全幅1890mm×全高1405mmという低くワイドなスタンスでありながら、Cセグメントハッチバックとして十分な室内空間を確保している。前後席ともに大人4人がしっかり座れるスペースを持ち、サーキットマシンのような性格でありながら日常使用にも対応できるパッケージングが魅力といえるだろう。

対するフェアレディZは、全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mmと、2シータークーペらしい引き締まったボディに仕立てられている。室内はドライバーと助手席に集中したコックピット的な構成で、走りに没頭する空間を重視した設計だ。低めの着座位置や水平基調のダッシュボードがスポーツカーらしい雰囲気を高める。

荷室についても一定の容量は確保されているが、フェアレディZのリアハッチ開口部は昔ながらのファストバッククーペのそれであり、大きな荷物を積むようには設計されてない。荷室の使い勝手はシビック タイプRが明らかに上だ。

両車のスタイル面を比較すると、シビックは機能性と空力性能を高次元で融合させた現代的なデザインを持つ。これに対し、フェアレディZは歴代モデルを踏襲したクラシックと現代を融合した造形で、エモーショナルな魅力を備えている。

ホンダ シビックタイプR
ボディサイズ=全長4595mm×全幅1890mm×全高1405mm
ホイールベース=2735mm
車両重量=1430kg
タイヤサイズ=265/30ZR19

日産 フェアレディZ (6MT)
ボディサイズ=全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mm
ホイールベース=2550mm
車両重量=1570kg
タイヤサイズ=245/45R18

排気量も駆動方式も異なる2台、スポーツカーとしての個性をどう味わうか

シビックタイプRには2.0L 直列4気筒VTECターボが搭載され最高出力は330PS、最大トルクは420Nmを発揮する。低回転から発揮される高トルクと鋭いアクセルレスポンスにより、ドライバーの操作と車両の挙動が常にリンクするような感覚が味わえるはずだ。

一方のフェアレディZは、3.0L V6ツインターボを搭載し、最高出力405PS/最大トルク475Nmと排気量も出力もシビックを大きく上回る。トランスミッションは9速ATのほか、シビックタイプRと同じく6速MTも用意されているのは嬉しい計らいだ。

シフトフィールはリンクやワイヤーを介さずダイレクトにギアを操作できるFRスポーツカーらしい節度感があり、大排気量ならではの余裕と厚みのある加速が味わえる点がフェアレディZの特徴となる。

加速性能ではZがリードするが、軽快さやコントロール性という点ではシビックにも強みがある。両者は駆動方式の違いが特に色濃く反映された2台といえるだろう。

ホンダ シビックタイプR
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1995cc
最高出力=330ps/6500rpm
最大トルク=420Nm/2600〜4000rpm
トランスミッション=6MT
駆動方式=2WD(FF)

日産 フェアレディZ (6MT)
エンジン形式=V型6気筒ツインターボ
排気量=2997cc
最高出力=405ps/6400rpm
最大トルク=475Nm/1600~5600rpm
トランスミッション=6MT
駆動方式=2WD(FR)

ホンダと日産のピュアスポーツカーそれぞれが向くユーザー像とは

シビックタイプRは約500万円の値段が付けられている。乗車定員は4人に制限されているものの、日常用途でも無理なく使えるシビック タイプRは、サーキットランと日常の移動を両立させたい層に適したパッケージとなる。

対するフェアレディZの価格はベースグレードで約550万円であり、シビックタイプRよりも50万円ほど高い。しかしフェアレディZは、今や希少となっている6速MTが用意される高出力エンジンのFRとしては価格が抑えられており、競合する輸入スポーツカーと比べてもコストパフォーマンスの高いモデルとなる。

一方で、燃費や取りまわしの面ではやや不利な側面もあり、現代においてフェアレディZは趣味性の強い1台としての位置づけざるを得ない。

総じて、シビックタイプRは万能型スポーツカーとして幅広いシーンに対応する一方、フェアレディZは週末にクルマと向き合いたいクルマ愛好家に応えるモデルと言えるかもしれない。

車両本体価格

「F1」特集記事

「角田裕毅」特集記事

2025年5月2日のニュース