デービス〝疑惑のダウン”判定に4階級制覇王者が皮肉「ルールを忘れたに違いない」
プロボクシング WBA世界ライト級タイトルマッチ 同級王者 ジャーボンテ・デービス(米国)<12回戦>WBA世界スーパーフェザー級王者 ( 2025年3月1日 ニューヨーク バークレイズセンター )

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無敗のWBA世界ライト級王者ジャーボンテ・“タンク”・デービス(30=米国)が1階級下のWBA世界スーパーフェザー級王者ラモント・ローチ(29=米国)の挑戦を受けた一戦は、判定でデービス1-0の引き分けとなった。6度目の防衛に成功したデービスはプロデビューからの連勝が30で止まり、30勝(28KO)1分け。ローチは25勝(10KO)1敗2分け。
試合前は圧倒的有利とされていた世界3階級制覇王者デービスは、まさかの引き分け。しかも9回にはローチの左を右目付近に浴び、膝をつくようなしぐさを見せると、コーナーへ向かって顔をふいてもらう場面が発生。レフェリーのスティーブ・ウィリス氏が一度はカウントを始めたもののダウンとは判定されず、タイムアウトとみなされた。決着は採点にもつれ込み、ジャッジ1人が115-113でデービスを指示したものの、残り2人は114-114だった。
リングインタビューを受けたデービスが9回の場面について「汗で(整髪用の)グリースが目に入って痛かっただけ」と釈明すると会場からはブーイング。一方、大健闘で拍手を浴びたローチは「グリースが目に入ったとか言ってたけど、あれはダウンだろう。勝っていたのは自分だ。グチャグチャ言いたくないけど…」と主張した。
“疑惑のダウン”について、スーパーライト級とウエルター級の2階級で4団体王座統一を果たした世界4階級制覇王者テレンス・クロフォード(米国)は自身のX(旧ツイッター)に投稿。「膝をついてもノックダウンとみなされないなんて見たことがない。今夜はルールを忘れてしまったに違いない」とデービス有利の裁定を皮肉った。また、女子で3階級4団体王座統一を成し遂げた5階級制覇王者クラレッサ・シールズ(米国)も「ルールその1は、決して相手から目を離さないこと」とローチに背を向けたデービスに疑問を呈した。