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“タンク”デービスまさかのドローで31連勝ならず 1階級下の王者ローチに大苦戦〝疑惑のダウン”も

[ 2025年3月2日 15:07 ]

プロボクシング WBA世界ライト級タイトルマッチ   同級王者 ジャーボンテ・デービス(米国)<12回戦>WBA世界スーパーフェザー級王者 ( 2025年3月1日    ニューヨーク バークレイズセンター )

ローチ(左)の左がデービスにヒット(AP)
Photo By AP

 WBA世界ライト級王者ジャーボンテ・“タンク”・デービス(30=米国)が1階級下のWBA世界スーパーフェザー級王者ラモント・ローチ(29=米国)の挑戦を受けた一戦は、判定でデービス1-0の引き分けとなった。6度目の防衛に成功したデービスはプロデビューからの連勝が30で止まり、30勝(28KO)1分け。ローチは25勝(10KO)1敗2分け。

 試合前のオッズは20-1と世界3階級制覇王者のデービスが圧倒的だったが、互角の打ち合いとなった。序盤は慎重にプレスをかけながらワンツー主体のローチに対し、フットワークを使うデービスは隙を狙って打ち込んだり、ガードの上から叩きながら次第にスピードを速めた。試合前半はデービスが手数と鋭いカウンターで上回った一方、ローチも強烈な左右フックや強烈なボディーを決め、一歩も引かなかった。

 9回には左のパンチを浴びたデービスが顔を気にして膝をつくようなしぐさを見せ、コーナーに向かうとセコンドにタオルで頭をふいてもらう場面が発生。レフェリーが一度はカウントを始めたものの、ダウンとは判定されなかった。再開後はデービスが足を止めての打ち合いに持ち込み、ローチもアッパーや強烈な右で激しく対抗。決着は採点にもつれ込み、ジャッジ1人が115-113でデービスを指示し、残り2人は114-114でマジョリティードローと発表されると、1万9250人を集めた場内からどよめきが起きた

 リングインタビューでデービスは「俺が勝ったと思った。クリーンショットも決めていた」と語りながらも、「ラウンドが進んで彼も反撃してきた。俺の方にもミスがあった。俺の出来が悪くて接戦になってしまった」と説明。9回の場面は「汗でグリースが目に入って痛かっただけ」と言い訳すると、観客からはブーイング。「こんなに良いヘアスタイルなんだからブーブー言うなよ」と苦笑いし、「ニューヨークでもう1回やろう」と再戦を呼びかけた。

 米リング誌選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で8位のデービスと果敢に打ち合い、歓声を浴びたローチは「こんなふうに打たれたことは何度もある。今日は自分の実力を示した」と胸を張った。ダウン判定なら勝っていた9回については「グリースが目に入ったとか言ってたけど、あれはダウンだろう。勝っていたのは自分だ。グチャグチャ言いたくないけど…」と主張し、「この結果には満足していない。またやりたい。全世界に自分の実力を見せたい」と再戦に応じる構えを見せた。ローチはデービスに勝てば2階級にまたがってベルトを保持する方針を示しており、WBAスーパーフェザー級4位・堤駿斗(志成)の挑戦が実現するかも注目されていた。

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