ボクシング“男子デビュー戦”判定負けの真道ゴー「悔しいけど純粋に楽しかった」 今後は「考えたい」

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プロボクシング元WBC女子世界フライ級王者で、性別適合手術と戸籍変更を経て男子選手として活動を目指す真道ゴー(36=グリーンツダ)が10日、エディオンアリーナ大阪で準公式試合(バンタム級3分×3ラウンド)に臨み、現役男子プロで戦績2勝2敗1分けの石橋克之(姫路木下)に判定0―3(27―29×3)で敗れた。
激しい打ち合いで会場を盛り上げ、最終3回には鼻から出血。リングに入る際は硬かった表情も2回以降はほぐれ、笑みさえ浮かべた。
「負けという結果は悔しいけど、7年ぶりにリングで拳を交えたのは純粋に楽しかった」
2016年6月に藤岡奈穂子に判定負けしたWBO女子世界バンタム級タイトルマッチ以来7年半ぶりの試合。準公式試合のため、公式な記録として残されないものの、グローブは8オンスを使用し、ヘッドギアなし。レフェリー、ジャッジのオフィシャルはプロ公式戦と同じ体制で勝敗をつける。日本ボクシングコミッション(JBC)の位置づけとしては「スパーリング」だが、公式戦と見た目はほぼ同じ。真道にとって“血湧き肉躍る”リングであることは間違いない。それだけに勝ちたかった。「結果は結果。結果が全てのところで残念だけど。それが自分の実力」「奥さんは自分が負けるのが一番嫌いなので、奥さんが一番悔しい思いをしているのかな」などと心境を語る表情には晴れやかさが感じられた。
立ち上がりはむしろ真道が優勢だった。ジャブを突きながら右ストレート、左フックもヒット。間合いが近くなった2回は被弾が増え、次第に顔が赤く腫れた。3回前半は再び距離を取って左フックなどを当て流れを取り戻すかに見えた。しかしカウンター気味の左フックを食らってダウン。そこから連打で逆襲も及ばなかった。
リングサイドで見届けたJBCの萩原実理事長は「(準公式)試合をやったことは半歩前進」と話した。JBCは試合での安全管理を理由に、真道の男子プロテスト受検を認めないと7月の理事会で決めた。その一方で男子選手と試合形式のスパーリング(準公式試合)を行った上で安全面などを精査し、データや内容によっては受検を認める可能性があるという方針を示している。同じく視察したJBCの安河内剛本部事務局長は「自分が思った以上にいいパフォーマンス。パワー、スピードとも(シス男性選手に)劣るとは思わない。(真道が放った)左フックもダウンを取ってもおかしくないタイミングだった」などと評価した。しかし、すぐに真道のプロテスト受検を認める方向に動くかは不透明だ。
本人も今後について「また考えたい」と明言を避けた。「この試合に勝てばプロとして認めてもらえるとか、ルールがあるわけではないので、そこに気持ちを持っていくのはしんどかった。この試合に絶対に勝つ、という気持ちでやってきた。リングに立てたのは、ありがたかった」。男子プロとしてリング復帰する決意を固めてから2年間が経過。36歳という年齢もあり、練習過程で体の各所を痛めるケースが少なくないという。一つの区切りを迎え、所属するグリーンツダジムの本石昌也会長をはじめとするスタッフ、対戦してくれた石橋陣営やJBCなど関係者の尽力に感謝した。
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