【ボクシング】矢吹正道が7回TKOで再起 「負けたら引退と思ってた。強い選手に勝って次に向かえる」

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プロボクシング前WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道(30=緑)が10日、三重・四日市総合体育館で再起戦となる50キロ契約10回戦に臨み、WBO世界同級4位タノンサック・シムシー(22=タイ)を7回1分19秒、TKOで下した。今年3月に寺地拳四朗(BMB)と異例のダイレクトリマッチに臨み、3回TKOで敗れて王座から陥落。それから約半年で再びリングに上がり、健在ぶりを示した。
「負けたら引退と思って背水の陣で練習もやりきった。相手は想像通りに強かったけど、最後はしっかりKOで勝てて良かった。(一度は)世界を獲ったので2連敗したら肩書きを汚してしまう。強い選手に勝って、次へ向かえる。この半年、1年は心身ともに疲れた。少し休んでから2階級制覇やライトフライ級のチャンピオンを目指したい」
相手は23戦全勝(21KO)で、WBO世界ランクは自身より上位につけている若手有望株。前がかりに攻められ、ロープやコーナーを背負いながらも的確にジャブを差し、右カウンター、左ボディーをヒット。2回には右フックでダウンを奪った。6回に右ストレートから連打で2度目のダウンを奪う。そして7回は右ストレートから返しの左フックをヒットし、そのまま連打でロープへ追い込み、レフェリーストップを呼び込んだ。
今春に世界ベルトを失った直後は「(ボクシングを)やめようと思った。今までそんなことをしたことがなかったけど試合翌日から酒を飲んで。割り切るつもりだった」。ボクサーは試合で脳に深刻なダメージを受けている可能性があり、試合後まもなくの飲酒は厳禁とされる。半ば自暴自棄だった。ささくれた気持ちをほぐし、立ち直る力をくれたのは同じ競技に励む長女の夢月(ゆづき)さん、長男の克羽(かつば)君の存在だった。「子供が頑張っているのに俺のせいで、それ(2人の努力)がナシになってしまうのは嫌だった」。自分がグローブを吊してしまえば、子供も競技から離れてしまうかもしれない。「せめて教えるだけでも…」と試合数日後からミットで2人のパンチを受けた。体を動かすうちにに前向きな気持ちが湧いた。一緒にロードワークにも出るようになり「俺もやめなくていいか」。現役続行を決めた。
父を翻意させた夢月さんは今月4日に東京・後楽園ホールで実施されたジュニアチャンピオンズリーグ全国大会のU―12女子35キロ級で優勝。矢吹はちょうど減量終盤でいちばん苦しい時期だった。「飲めない、食えないで眠れないし、試合への恐怖も少しある。そんな時には“子供たちもリングに上がったんやから”と考えた」。愛する家族から勇気をもらい、再起を果たした。
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