「夜バナナダイエット、むしろ太ったんですけど!」失敗の理由は?管理栄養士がお答え

[ 2025年5月23日 09:00 ]

バナナは栄養価が高く、手軽に取り入れられることから、ダイエット食としても注目されてきました。

中でも「夜にバナナを食べるだけ」というシンプルな方法が話題になりましたが、思うように痩せず、かえって太ってしまったという声も少なくありません。

株式会社Luce代表で管理栄養士の望月理恵子さんが、その理由について回答してくれました。

夜バナナダイエットで太ってしまう「3つのパターン」とは

望月さん:夜バナナダイエットで太った場合、まず「バナナ以外のものを食べ過ぎている」が挙げられます。バナナにプラスして、他の物を食べ過ぎている場合、糖質や脂質の過剰摂取で太る可能性があります。

次に「バナナを食べる量が多い」のも要因のひとつです。一般的なバナナダイエットでは、バナナは1日200g(2本分)を目安に摂取します。それ以上食べている場合、摂取エネルギー量が多いため、太ることがあります。

夜は、血糖値が上昇しやすく、エネルギー消費量が減少する傾向にあります。そのため、余分に摂取したエネルギーは、脂肪として蓄積されやすくなってしまうので、食べ過ぎに注意しましょう。

そして「夕食をバナナだけにしている」ことも原因として考えられます。夕食をバナナだけにしている場合、どうしてもお腹が空いてしまいます。その結果、激しい空腹状態で目覚め、朝食を食べ過ぎてしまう流れに。

すると血糖値が急上昇し、インスリンの過剰分泌による脂肪蓄積ということが起き、痩せないどころか太ってしまいます。

夜バナナダイエットの正しいやり方

では、どのように行うとダイエットを成功に導きやすくなるのでしょうか。望月さんおすすめの方法は以下です。

望月さん:夕食の30分前にバナナ2本を食べて、水をコップ1杯飲みます。その後、基本的には普段通りの夕食を摂って構いません。

ただ、効率よくダイエットするために「ご飯、パン・麺類などを少なめにする」「脂っこいものは控えめに」「食物繊維が多いものを摂取する」を意識するといいでしょう。

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夜以外で食べるならいつがおすすめ?

望月さん:夕食前以外にバナナを食べる場合、おやつ(間食)や運動前後、疲れたときがおすすめです。

脂肪の蓄積を促すタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」は、午後2〜3時頃に少なくなると言われているため、その時間帯に食べると脂肪になりにくいと考えられます。

また、バナナは糖質を多く含んでいるので、運動前に食べるとエネルギー源になり、運動後に食べると、疲れた体にエネルギーを補給できます。

そして疲れているときに食べると、摂取した糖質が疲労回復に使われます。

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夕食を食べ過ぎてしまう人におすすめのダイエット法

望月さん:夜バナナダイエットは、夕食を食べ過ぎてしまう人におすすめのダイエット法です。

夕食にバナナを食べることで、夕食の食べ過ぎを予防できる、便秘解消、代謝が上がるといったダイエットにうれしい働きが期待できます。

食べ過ぎの予防はダイエットにもちろん有効ですし、便秘解消によって腸内環境が整うと、栄養素の消化率・吸収率が上昇しやすくなるほか、体の不要物が排出されやすくなるため、代謝が良く痩せやすい体を目指せるでしょう。

夜バナナダイエットは過度な食事制限をするわけではないので、ストレスが少なく、続けやすいでしょう。

次:改めておさらい! バナナのダイエット効果とは

改めておさらい! バナナのダイエット効果とは

望月さん:バナナは、ダイエットに役立つ栄養素を多く含んでいるうえ腹持ちがいいため、適量を食べる分にはおすすめです。

他のフルーツに比べて糖質が多く含まれているので、1日約200g(2本程度)までに抑えましょう。

▼バナナに含まれる栄養素と働き

食物繊維 便秘解消
カリウム むくみ予防
ビタミンB群 糖質や脂質の代謝を高める
ポリフェノール 生活習慣病予防、動脈硬化予防、老化予防

▼参考
農林水産省 毎日くだもの200g!
香川明夫『八訂 食品成分表2022』女子栄養大学出版部(2022)
板木利隆『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店(2010)

監修者プロフィール

健康検定協会理事長
望月 理恵子

株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。

<Edit:編集部>

※本記事は、mocobi(モコビ)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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